三瀬漁港

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山形県鶴岡市、かつて羽州浜街道の宿場町として栄え、現在は「幻のラーメン店」琴平荘(こんぴらそう)の聖地として全国に名を轟かせる「三瀬(さんぜ)漁港」。ここは、日本海の荒波が作り上げた奇岩「立岩」を望む絶景のロケーションと、アオリイカや根魚が爆発的な釣果を見せる「庄内屈指の好漁場」が融合した、まさに釣り人のユートピアです。2025年には「琴平荘」が第24期を迎え、行列を待つ間に25cmのクロソイを仕留めるという三瀬ならではの釣行スタイルが話題。松尾芭蕉が『奥の細道』で宿泊した歴史から、地元に伝わる「鯨墓」の悲話、そして最新のアオリイカ攻略まで、圧倒的ボリュームで三瀬漁港の全貌を解き明かします。

三瀬漁港の基本スペック・施設情報

三瀬漁港は、山形県鶴岡市三瀬地区にある第1種漁港です。隣接する三瀬海水浴場とともに、夏場は多くのレジャー客で賑わいますが、シーズンオフには静かな漁村の雰囲気を保ちつつ、本格派のアングラーを受け入れる懐の深さを持っています。

漁港名 三瀬漁港(さんぜぎょこう)
漁港種類 第1種漁港(管理者:山形県) [1]
所在地 山形県鶴岡市三瀬字己地内
主なターゲット クロダイ、マダイ、アオリイカ、アジ、メバル、クロソイ、アイナメ、ホッケ
駐車場 あり(無料・漁港周辺および琴平荘駐車場を利用可能)
トイレ あり(漁港近くの公衆トイレ、または三瀬駅周辺施設を利用可能)
アクセス JR羽越本線「三瀬駅」より徒歩約20分。日本海東北自動車道「鶴岡西IC」から車で約15分

地形と潮回り:庄内浜を洗う「リマン海流と対馬暖流」の接点

三瀬漁港の最大の魅力は、その「岩礁の入り組み方」にあります。港の北側にはシンボルである「立岩」がそびえ、海底は複雑なスリット(溝)や根が各所に点在しています。この地形は、対馬暖流が運ぶ回遊魚の足を止めさせ、同時に根魚にとっての最高のゆりかごとなっています。

潮回りについては、海岸線が大きく弧を描く湾の端に位置するため、上げ潮のタイミングでは外洋の新鮮な海水が勢いよく港内へと流れ込みます。この「潮通しの良さ」が、秋にはアオリイカの巨大な群れを呼び寄せ、冬には産卵を控えた大型の根魚をストックさせます。水深は堤防先端で4〜5メートルと適度な深さがありつつ、底が見えるほどの透明度を保つ日も多く、魚の反応をダイレクトに感じられるテクニカルなフィールドです。

三瀬漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2025年最新版

① 赤灯防波堤・先端部:クロダイとアオリイカのメイン会場

三瀬漁港で最も人気のある一級ポイントです。潮目がはっきりと出る場所で、春の「乗っ込み黒鯛」から秋の「アオリイカ」まで実績は絶大。2025年10月の最新ニュースでは、琴平荘の開店待ちをしていたアングラーが、先端付近で胴長20cm超のアオリイカを連発させたとの報告があります。足場は安定していますが、外海側は波を被りやすいため注意が必要です 。

② 立岩周辺・地磯エリア:エキスパート向けのロックフィッシュ天国

漁港の北側にそびえる立岩周辺は、まさに「ロックフィッシュの要塞」です。2025年10月下旬、ワームで根を丁寧に探っていたアングラーが、25cmの見事なクロソイをキャッチ。ここは根掛かりが非常に激しいですが、それを恐れずに攻めることで、尺(30cm)超えのアイナメやソイに出会える確率が格段に上がります。滑り止めのスパイクシューズと、予備の仕掛けは多めに持参しましょう。

③ 港内・スロープ付近:ファミリー・夜釣りの癒やしスポット

外海が荒れている時でも港内は比較的穏やかで、小さなお子様連れでも安心して楽しめます。初夏から秋にかけてはアジやサバのサビキ釣りがメインとなり、鈴なりの釣果に子供たちの歓声が上がります。夜間は常夜灯の下でメバリングが好調。2025年5月のデータでは、20cmクラスのメバルが「一投一匹」状態になるボーナスタイムも発生しました 。

芭蕉の休息と三瀬宿の賑わい|三瀬に刻まれた郷土史

三瀬は、古くから日本海を往来する旅人や船人たちが羽を休める、庄内浜の「宿場町」でした。

松尾芭蕉と『奥の細道』の足跡

元禄2年(1689年)、俳聖・松尾芭蕉が陸奥の旅で訪れた際、三瀬は重要な滞在地でした。芭蕉は鶴岡の武家屋敷に逗留した後、ここ三瀬の地を経て酒田、そして象潟へと向かいました。当時の芭蕉が眺めたであろう立岩の景観は、数百年の時を経た今も変わらず、釣り人の目を楽しませてくれます。歴史の重みを感じながら竿を振る時間は、三瀬ならではの贅沢です。

母鯨を弔う「鯨墓」の記憶

三瀬地区には、悲しくも温かい「鯨墓」の伝説が残っています 。かつてこの地で捕獲された鯨の胎内から見つかった子鯨を不憫に思い、村人たちが墓を建てて丁重に供養したものです 。これは単なる伝説ではなく、昭和10年には国の史跡に指定されました。このエピソードは、三瀬の人々がいかに海と、そこに生きる生命を敬ってきたかを象徴しており、現在の豊かな漁場を守る精神的支柱となっています。

2025年 三瀬漁港の最新ニュースとトピックス

2025年、三瀬は釣りとグルメが極限まで融合した「特別な一年」となっています。

  • 【2025年10月】琴平荘 第24期オープン: 10月1日、全国のラーメンファンが待ち望んだ琴平荘の今期営業がスタート。2025年は店主の息子さんが新たに湯切りテボを振るなど、伝統の味が次世代へ受け継がれる記念すべき年となりました。
  • 【最新】朝8時からの発券機システム: 2025年も整理券の発行は朝8時から。朝一番で券を受け取り、そのまま三瀬漁港で2〜3時間じっくり釣りを楽しんでから絶品の中華そばを食す「三瀬フルコース」が定着しています。
  • 【話題】三瀬駅周辺の利便性向上: 2025年夏、駅周辺の案内板が更新され、電車釣行アングラー向けの漁港へのアクセスがより分かりやすくなりました。

究極の釣り飯!「琴平荘」と三瀬の絶品グルメ

三瀬漁港での釣行を完璧なものにするなら、あの「幻の一杯」は外せません。

  • 中華そば処 琴平荘: 旅館の閑散期のみ営業する奇跡のラーメン店。アゴ(トビウオ)ダシを効かせた醤油スープと、自家製の中太ちぢれ麺は、一度食べたら忘れられない味です。特におすすめは「中華そば(あっさり)」に岩海苔トッピング。潮風に吹かれた体に最高のご褒美です。
  • 三瀬の岩牡蠣(夏季限定): 琴平荘が休業する夏場は、三瀬産の天然岩牡蠣が主役。大ぶりでクリーミーな味わいは、全国のファンを魅了しています。
  • 磯焼きと由良・加茂の幸: 漁港周辺の民宿では、三瀬で獲れたばかりのサザエやアワビの磯焼きが提供されます。地元の地酒「初孫」や「上喜元」との相性は抜群です 。

安全設備とアクセス:駐車場マナーにご協力を

三瀬漁港は多くの人が訪れるため、特に安全とマナーに注意が必要です。

  • 駐車場の利用: 琴平荘の駐車場は広大ですが、ラーメン客と釣り人で混雑します。漁業関係者の妨げになる場所への駐車は厳禁です。
  • 発券機待ちの注意点: 番号札を受け取った後に港へ出る際は、自分の番号が近づいた時にすぐに戻れるよう、スマホの通知機能や目安の時間管理を徹底しましょう。

三瀬漁港を愛する全ての人へ

この歴史ある美しい港を守るために、以下のルールを遵守しましょう。

  • ゴミの完全回収: 琴平荘の目の前は、海水浴場でもある美しい海岸です。釣り糸、空き缶、タバコの吸い殻は絶対に持ち帰りましょう。
  • 漁業者優先: 港は漁師さんの大切な仕事場です。網干場(網が干してある場所)への侵入や、漁船付近での釣りは控えましょう。
  • ライフジャケットの着用: 立岩周辺や堤防外側は急な波(土用波など)が来ることがあります。自分の命を守るために必ず着用してください。
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