岩手県大船渡市三陸町越喜来。リアス式海岸の最深部、平安時代に坂上田村麻呂に追われた「鬼」たちが喜んで逃げ込んだという伝説が残る「崎浜（さきはま）漁港」。ここは「越鬼来（おにきらい）」と呼ばれた地名のルーツが息づく神秘の港であり、現代では三陸を代表する「ヤリイカ・スルメイカ釣りの聖地」として全国のアングラーを惹きつけています。釣り人にとっては、2025年冬に「一晩でイカ10杯超」の安定した釣果が報告されるテクニカルなフィールドであり、首崎（こうべさき）の断崖絶壁を望む絶景の釣り座。1,000年を越える鬼退治の伝承から、2025年最新の「ヤリイカ好調」ニュース、そして特産の「ホタテラーメン」まで。圧倒的ボリュームで、崎浜漁港の真髄を解き明かします。
崎浜漁港の基本スペック・施設情報
崎浜漁港は、岩手県が管理する第2種漁港です。越喜来湾の北側に位置し、背後には「首崎」へと続く険しい山々が迫る天然の良港です。古くからホタテや養殖ワカメの拠点として栄え、近年では遊漁船の拠点としても非常に高い人気を誇ります。港内は水深が深く、外海が荒れていても比較的穏やかなのが特徴です。
| 漁港名 | 崎浜漁港（さきはまぎょこう） |
|---|---|
| 漁港種類 | 第2種漁港（管理者：岩手県） |
| 所在地 | 岩手県大船渡市三陸町越喜来字崎浜 |
| 主なターゲット | ヤリイカ、スルメイカ、アイナメ、クロソイ、メバル、ヒラメ、マダラ |
| 駐車場 | あり（漁港内に広い駐車スペースあり） |
| トイレ | あり（漁港内に完備） |
| アクセス | 三陸沿岸道路「三陸IC」より車で約15分。三陸鉄道「三陸駅」からバスまたは車でアクセス可能。 |
地形と潮回り：鬼も喜ぶ「入り組んだ懐」と急深な岩礁帯
崎浜漁港が爆発的な魚影を誇る理由は、越喜来湾の北側を遮る巨大な半島と、急激に落ち込む海底地形にあります。湾口に向かって潮が強く抜ける一方で、港内は「鬼も喜んで来る（越鬼来）」と言われた通り、複雑に入り組んだ地形で魚たちの格好の隠れ家となっています。海底は砂地と激しい岩礁帯が混在しており、特にアイナメやソイといった高級根魚のストック量は三陸屈指です。
潮回りについては、湾外からの親潮の差し込みが強く、冬場でもベイトフィッシュ（小魚）の接岸が安定しています。2025年の調査では、特に夜間の潮の動き出しにヤリイカやスルメイカの群れが堤防の明かりに寄る「イカメタル・ライン」が形成されており、ライトエギングの絶好のフィールドとなっています。
崎浜漁港・詳細ポイント攻略ガイド：2025年最新版
① 南防波堤・先端エリア（ヤリイカ＆スルメイカ）
崎浜で最も実績が高いメインポイントです。2025年の最新釣果レポートでは、遊漁船「千祥丸」にてスルメイカが10匹以上キャッチされるなど、イカの活性が非常に高い状態が続いています。堤防からの陸っぱりでも、夜間に「ダイワ エメラルダス」等の小型エギを用いたライトエギングで、数釣りが楽しめるのが2025年の特徴です。
② 崎浜東側・岩礁帯（アイナメ＆ソイ）
「首崎」へと続く東側のエリアは、ロックフィッシュの聖地です。2025年12月の最新情報では、「喜多丸」などの遊漁船で40cmオーバーのアイナメがキャッチされており、ハイシーズンを迎えています。根が非常に荒いため、ブラクリや太仕掛けでのボトム攻略が釣果を伸ばすポイントです。
③ 港内・スロープ周辺（ファミリー・メバリング）
足場が良く、初心者や家族連れにおすすめ。2025年の秋から冬にかけて、夜間の常夜灯周りでメバルの活性が上がっています。最近のトレンドは、小型のジグヘッドに「エコギア 熟成アクア」などの匂い付きワームを合わせるスタイル。小型ながら数釣りが楽しめ、三陸の豊かな海を体感できるポイントです。
「越鬼来」に刻まれた鬼の最期｜首崎・脚崎・死骨崎の物語
崎浜漁港の周辺には、平安時代の征夷大将軍・坂上田村麻呂にまつわる、少し物騒で神秘的な地名が今も残っています。
坂上田村麻呂と鬼退治の伝承
伝承によれば、この地には中央政権に抵抗した蝦夷（えみし）の酋長が「鬼」として恐れられていました。坂上田村麻呂の軍に追われた鬼たちは、この深い入り江に逃げ込みましたが、ついに力尽き討ち取られたとされています。その際、鬼の「首」が流れ着いたのが現在の「首崎（こうべざき）」、「脚（脛）」が流れ着いたのが「脚崎（すねざき）」、そして「骨」が流れ着いたのが「死骨崎（しこつざき）」という地名になったと伝えられています。
「越鬼来」から「越喜来」へ
元々は「鬼も喜んで来る」という意味で「越鬼来」と書かれていた地名は、後に「喜んで来る」という字を当てた「越喜来」へと変わりました。釣行の際、首崎灯台へと続く道を歩くと、今なお当時の「鬼」たちの記憶が漂うような、三陸屈指の神秘的な雰囲気を感じることができます。
2025年 崎浜漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、崎浜では豊かな海の幸と地域が一体となった賑わいが注目されています。
- 【2025年8月】さかりグルメまつり開催： 2025年8月20日に大船渡市内で開催。崎浜特産のホタテなども提供され、多くの釣り人と観光客が三陸の秋の味覚を先取りしました。
- 【最新】ヤリイカ・スルメイカ接岸中： 2025年12月の最新レポートでは、夜間のイカ釣りが非常に安定。越喜来湾全体でイカの群れが濃く、正月用の獲物を狙うアングラーで賑わっています。
- 【話題】三陸沿岸道路の全線効果： 2025年を通じて、アクセスの向上により県外ナンバーのアングラーが急増。崎浜は「三陸を代表するイカの拠点」としての地位を確立しています。
施設情報と「越喜来湾」の絶品グルメ
崎浜での釣行を完璧なものにするなら、周辺の「磯の香り」を堪能しましょう。
- 「浜どこ」のホタテラーメン（道の駅さんりく）： 崎浜産の大粒ホタテと海藻をたっぷり使った三陸の名物。大きな貝柱の甘みがスープに溶け出し、釣りの後の冷えた体に最高のご馳走です。
- 崎浜産 殻付きホタテ： 崎浜の漁師が量より質を求めて育てるホタテ。分厚い身と濃厚な甘みは、そのまま焼いて食べるのが一番の贅沢です。
- 柿ソフトクリーム： 道の駅さんりくの名物。日本初の柿を使ったソフトで、釣行帰りのリフレッシュに最適です。
安全設備とルール：漁港は漁師さんの真剣な場
崎浜漁港は復興により近代的な設備が整っていますが、以下のルールを守りましょう。
- 係留ロープと漁具への配慮： 崎浜はホタテ養殖の重要拠点です。堤防に置かれた網やカゴ、係留されている漁船のロープ付近での釣りは控えましょう [1]。
- 立入禁止区域の厳守： 首崎方面の険しい岩場や防波堤の一部など、危険な場所には絶対に入らないでください [2, 3]。
- ゴミの完全回収： 釣り糸や仕掛けのゴミは、漁船のスクリュー故障の原因となります。三陸の海を守るため、必ず持ち帰ってください [1, 2]。
