岩手県大船渡市三陸町越喜来、リアス式海岸の荒々しい断崖「鳥頭(とりあたま)」の膝元に位置し、平安の昔に坂上田村麻呂に追われた鬼たちが隠れ潜んだという「鬼喜来(おにきらい)」の伝説を今に伝える「小壁(こかべ)漁港」。ここは「首崎(こうべざき)」や「脚崎(すねざき)」といった討たれた鬼の身体部位に由来する岬に囲まれた神秘の海であり、現代では複雑な沈み根と急潮が「モンスター級アイナメ」を育むロックフィッシュの隠れ里です。釣り人にとっては、2025年11月に3.6インチのガルプに「小気味よい引き」のクロソイやアイナメが応えた、テクニカルなライトゲームの拠点。バラバラにされた鬼たちの鎮魂の記憶から、2025年最新の「復興支援ロゲイニング」の活気、そして名物「イカ腑カレー」の濃厚なコクまで。圧倒的ボリュームで、小壁漁港の深淵を解き明かします。
小壁漁港の基本スペック・施設情報
小壁漁港は、大船渡市が管理する第1種漁港です [35, 1]。越喜来湾の北側に位置し、周囲を険しいリアス地形に守られた天然の良港です。主として磯漁業や採介藻の拠点として機能しており、大規模な集客を前提としない地元密着型の風情が漂います。2015年(平成27年)には岸壁や背後地の嵩上げ工事(0.23ha)が完了し、震災からの復興を遂げた強靭な港として地域の生業を支えています [2]。
| 漁港名 | 小壁漁港(こかべぎょこう) |
|---|---|
| 漁港種類 | 第1種漁港(管理者:大船渡市) [4] |
| 所在地 | 岩手県大船渡市三陸町越喜来字鳥頭 |
| 主なターゲット | アイナメ、クロソイ、メバル、ヤリイカ、サバ、アジ、ドンコ、タナゴ |
| 駐車場 | あり(漁港内に駐車可能なスペースあり。漁業活動を最優先してください) |
| トイレ | あり(Googleマップ等で確認可能な場所に設置あり。清潔に使用しましょう) |
| アクセス | 三陸沿岸道路「三陸IC」より車で約15分。三陸鉄道「三陸駅」より車で約10分。 |
地形と潮回り:鬼が潜んだ「入り組んだ断崖」とディープな沈み根
小壁漁港が突出したポテンシャルを持つ理由は、鳥頭岬から続く「海食地形」の複雑さと、一歩航路へ出れば一気に水深が落ち込む「リアスのドロップオフ」にあります。海底には波によって削り出された巨大な「沈み根」が迷宮のように入り組んでおり、これがアイナメやソイといった根魚にとって最高級のシェルターを提供しています [36, 37]。
潮回りについては、越喜来湾の北岸に位置するため外洋からの親潮の差し込みが強く、冬場でもベイトフィッシュの接岸が安定しています。2025年の最新観測によれば、特に「夕マズメからの下げ潮」に合わせ、12月末までヤリイカや良型メバルが港内の常夜灯周りにステイする「爆釣ゾーン」が形成されています。潮の流れが岩礁に当たって発生する強力な「ヨレ」を狙うのが勝利の鍵です。
小壁漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2025年最新版
① メイン防波堤・先端エリア(ロックフィッシュ&イカ)
小壁で最も実績が安定しているメインポイントです。2025年11月25日の最新レポートでは、夜間のライトエギングを展開したアングラーが、3.6インチのワームを用いて小気味よい引きのクロソイやアイナメをキャッチしています [38]。夜間はヤリイカの回遊も顕著で、2025年末は「一晩で10杯超(つ抜け)」の報告が相次ぐなど、正月用の高級食材を狙うアングラーで賑わっています [39]。
② 港内スロープ&常夜灯周り(アジング&ライトゲーム)
足場が良く、夜間も明るいためファミリーやライトゲーマーに最適。2025年10月のアジング調査では、1.0gのジグヘッドを用いた表層引きで、20cm前後のアジや良型メバルの数釣りが報告されました。最近のトレンドは「エコギア 熟成アクア」などの味と匂いを強化したワーム。厳冬期の低活性な魚を強制的にスイッチを入れる釣法が2025年の主流です。
③ 堤防付け根・鳥頭岬側(モンスター・アイナメ狙い)
一発大物を狙うなら、磯場に隣接する堤防付け根エリア。2025年冬、ここでは40cmを優に超える婚姻色のアイナメが、テキサスリグでのリフト&フォールに激しく反応しています。根が非常に荒いため、ラインの擦れ(根ズレ)には細心の注意が必要ですが、岩礁の隙間に潜む「主」を引きずり出すスリルは小壁ならではの魅力です [40]。
「越鬼来」に刻まれた凄惨な記憶|身体部位を冠する岬の地政学
小壁漁港の周囲には、平安時代にこの地を守ろうとした蝦夷(えみし)たちの、物悲しくも勇壮な物語が地名として焼き付いています。
「鬼が喜んで来た」地名の由来
伝承によれば、平安時代の征夷大将軍・坂上田村麻呂率いる朝廷軍に追われた先住民の首領(鬼)たちが、入り組んだ地形に身を隠せる喜びを叫んだことから「鬼喜来(おにきらい)」と呼ばれ、それが現在の「越喜来」に転じたとされます [37]。また別の説では、鬼が峠を越えてきた「越鬼来」が由来とも言われ、古来よりこの地が境界(ボーダー)であったことを示唆しています [41]。
バラバラにされた鬼たちの岬
討ち果たされた鬼たちの遺体は再生を恐れてバラバラにされ、海へ投げ捨てられたといいます。その首が流れ着いたのが「首崎」、脚(脛)が流れ着いたのが「脚崎」、そして骨となった遺骸が漂着したのが「死骨崎」となったという伝説は、三陸の美しい景観の裏に隠された凄惨な歴史を今に伝えています [41, 42, 43]。田村麻呂が彼らの霊を鎮めるために建立したとされる「気仙三観音」は、今も地域の守り神として大切に祀られています [41]。
2025年 小壁漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、小壁・越喜来エリアでは災害を乗り越えた「不屈のレジリエンス」が注目されています。
- 【2025年9月】第5回さんロゲ「大船渡応援ロゲイニング」: 9月20日・21日に開催。2月の山林火災で被災した山々の復興を願い、140名のランナーが小壁漁港を含む名所を走り抜け、地域のレジリエンス(回復力)を発信しました。
- 【最新】2025年12月 ヤリイカ爆釣継続: 12月末時点で、夜間のヤリイカ釣果が非常に安定。お正月用の獲物を求めるアングラーで防波堤は連日活気に包まれています [39]。
- 【話題】「みちのく潮風トレイル」の拠点化: 2025年を通じて、トレイルを歩くハイカーとアングラーの交流が活発化。鳥頭岬の絶景を巡るエコツーリズムが新たな賑わいを生んでいます。
施設情報と「越喜来の魂」絶品グルメ
小壁漁港での釣行を完璧なものにするなら、周辺の「磯の風味」をチェックしましょう。
- イカ腑カレー(越喜来): 越喜来湾で獲れたイカを丸ごと使い、濃厚な腑(肝)を隠し味に加えた絶品カレー。身の食感と肝のコクが絶妙なハーモニーを奏でる、2025年も一番人気のランチです。
- 浜どこラーメン(道の駅さんりく): 地元産の巨大ホタテと海藻が贅沢に乗った海鮮ラーメン。磯の香りがスープに溶け出し、釣りの後の冷えた体に最高のご馳走です。
- ホヤのペペロンチーノ(三陸駅前): 越喜来湾産の甘みの強いホヤを贅沢に使ったパスタ。震災から10年頑張ってきた地元の名店の味は、アングラーの胃袋を掴んで離しません。
安全設備とルール:16.4mの遡上高の記憶を胸に
小壁漁港は安全に配慮された港ですが、以下のルールを厳守しましょう。
- 強い揺れを感じたら即避難: 越喜来地区では2011年の震災時に海抜16.4m、綾里湾では40.1mの遡上高を記録しています [44, 45]。強い地震の際は即座に高台(旧越喜来小学校方面など)へ避難してください [46]。
- サケ・ハタハタの採捕全面禁止: 2025年も岩手県沖合海面では、釣りによるサケの採捕は厳格に禁止されています。ルールを遵守し、パトロールの指示に従いましょう [28]。
- 駐車場マナー: 漁港内は漁師さんの真剣な仕事場です。網の補修エリアや漁船の導線を絶対に塞がないよう、マナーを守って駐車してください [31]。
