岩手県宮古市、国の名勝「浄土ヶ浜」のすぐ北側に位置し、白い流紋岩の巨石が織りなす絶景の懐に抱かれた「白浜（しらはま）漁港（宮古）」。ここは2011年の震災で甚大な被害を受けた観光船事業が、2022年就航の「宮古うみねこ丸」によって劇的な復活を遂げた、復興の象徴的な地です。釣り人にとっては、親潮の冷涼な水が運ぶ豊かな酸素と、急深な海底が生む「ヒラメとヤリイカの楽園」として知られ、2025年には「活きイワシでヒラメ40枚超」という驚異的な実績が報告されました。浄土ヶ浜の建築美から、南部藩主・南部利直公が定めた外港の歴史、そして2025年最新の「星降るナイトツアー」情報まで。圧倒的ボリュームで、白浜漁港のすべてを解説します。
白浜漁港の基本スペック・施設情報
白浜漁港は、岩手県宮古市崎鍬ヶ崎地区にある第1種漁港です [1, 2]。浄土ヶ浜のすぐ裏側に位置し、観光船の発着所や海産物の直売所と一体化した、三陸沿岸でも屈指の受入体制を誇る「観光型漁港」です。2011年の震災後、最新の多重防護システムを備えた強靭な港として再建されました [23, 24]。
| 漁港名 | 白浜漁港（しらはまぎょこう） ※宮古 |
|---|---|
| 漁港種類 | 第1種漁港（管理者：宮古市） [1] |
| 所在地 | 岩手県宮古市崎鍬ヶ崎第18地割地内 |
| 主なターゲット | ヒラメ（爆釣実績）、ヤリイカ、マダイ、ブリ（ワラサ）、アジ、メバル、クロソイ |
| 駐車場 | あり（無料・浄土ヶ浜第1〜第4駐車場および漁港周辺に計450台収容） [25, 26] |
| トイレ | あり（浄土ヶ浜ビジターセンターやレストハウス内に完備。非常に清潔です） [27, 25] |
| アクセス | 三陸沿岸道路「宮古北IC」より車で約10分。三陸鉄道「宮古駅」からバスで約20分 |
地形と潮回り：浄土ヶ浜の深淵が育む「高級魚の宝庫」
白浜漁港の最大の魅力は、名勝・浄土ヶ浜から続く「急峻な海底地形」にあります [28]。港の周囲は、海面から垂直に立ち上がる流紋岩の断崖が海中まで続き、海底はわずか数百メートルで水深が20m、30mへと急落するドロップオフを形成しています [29]。この地形が、深海からの栄養塩豊かな「湧昇流」を引き起こし、プランクトンを呼び寄せます。
潮回りについては、宮古湾の入り口付近に位置するため、対馬暖流の分流がダイレクトにぶつかります。2025年の最新調査では、特に「中潮」のタイミングでのヒラメの活性が極めて高く、12月前半の水温12度〜13度台において、活き餌の反応が爆発したデータが報告されています [30]。水質は驚異的な透明度を保ち、冬場にはこの深場を求めて「大型マダラ」が接岸する、陸っぱり・船釣りの両面で隙のないフィールドです [30]。
白浜漁港・詳細ポイント攻略ガイド：2025年最新版
① メイン防波堤（赤灯台）先端部：青物とヤリイカのメインアリーナ
白浜漁港で最も潮が走る一級ポイントです。2025年12月21日の最新ニュースでは、ここを拠点とする遊漁船「海遊丸」にて、活きイワシを餌に「ヒラメ31枚」という驚異的な数釣りが報告されました 。また、冬のヤリイカシーズンには、夜間のライトエギングで胴長25cm超の良型が安定してキャッチされており、夜の堤防は釣り人で賑わっています [30, 31]。先端付近は水深があるため、重めのメタルジグ（60g〜100g）を用いたショアジギングも有効です。
② 港内・船溜まり護岸（ファミリー・サビキ釣り）
足場が完璧に整備されており、車を近くに停められるファミリーに最適なエリアです [32]。2025年10月のレポートでは、サビキ釣りで20cmオーバーのアジやコノシロが安定して釣れており、お土産確保には最適です [33]。夜間は常夜灯が点灯し、メバリングでの尺（30cm）超えの実績も安定。2025年12月28日の最新投稿では、ボトムを丁寧に探っていたアングラーが良型のアイナメを仕留めています [34]。
③ 浄土ヶ浜隣接・地磯エリア：エキスパート向けのロックフィッシュ天国
堤防の付け根から続く岩礁地帯は、根魚（ロックフィッシュ）の宝庫です [35]。2025年春、ここでテキサスリグを駆使した釣り人が、46cmを超える巨大なアイナメやソイを連発させました [34]。複雑な沈み根をタイトに攻める技術が求められますが、その分、三陸ならではのダイナミックな引きを楽しむことができます。※観光客の多い日中のキャスティングには後方の安全に十分注意してください [22]。
南部利直公の夢と「うみねこ丸」の再起｜白浜に刻まれた復興の歴史
白浜漁港の歩みは、宮古の海上交通史と、幾多の災害を乗り越えてきた「再生と団結の物語」です。
南部藩主・利直公と鍬ヶ崎の繁栄
1615年、南部藩主・南部利直公は、慶長の大津波から4年後に沿岸を視察し、宮古（鍬ヶ崎・白浜）を藩の外港として定めました [36]。利直公は自ら町割りを定め、藩船の配備を進めるなど、物流の拠点として整備を断行。江戸時代には「宮古まさりの鍬ヶ崎」と謳われるほどの繁栄を誇りました [37]。釣行の際、周囲の険しい地層を見上げると、当時の船人たちが感じたであろう自然への畏敬の念が、現代の釣り人の心にも響くはずです 。
希望の船「宮古うみねこ丸」の就航
2011年の震災で、浄土ヶ浜の遊覧船事業は壊滅的な被害を受け、2021年には58年の歴史に幕を下ろしました [24, 38]。しかし、市民の強い想いを受け、宮古市は自ら新船「宮古うみねこ丸」を建造 [39]。2022年7月に就航したこの船は、双胴船の安定した構造とバリアフリー設計を備え、復興の新しい旗印となりました 。ウミネコに餌をやる観光客の笑顔は、この港が取り戻した平和の象徴なのです 。
2025年 白浜漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、宮古市では復興の完成と新しい観光の動きが注目されています。
- 【2025年12月】星降る浄土ヶ浜ナイトツアー開催： 12月から2026年3月にかけて、冬季限定のナイトツアーが開催 。白浜周辺の静寂と星空を活かした体験が、冬釣りのアングラーからも「幻想的な景色の中で竿を振れる」と好評を得ています。
- 【最新】2025年冬のマイカー規制緩和： 2025年11月から3月31日まで、浄土ヶ浜園地内へのマイカー乗り入れが解除 。重装備の釣り人にとってもレストハウスまで車で行ける利便性が向上しました。
- 【話題】三陸沿岸道路 全線開通の効果： 2025年8月の全線開通により、仙台・盛岡方面からのアクセスが劇的に向上 。遠征アングラーにとって白浜は「三陸で最も美しいA級ポイント」となりました [40]。
施設情報と「浄土ヶ浜」の絶品グルメ
白浜漁港での釣行を完璧なものにするなら、周辺の「魂の味」をチェックしましょう。
- 瓶ドン（宮古名物）： 牛乳瓶に地元の海鮮を詰めた体験型丼 [17]。浄土ヶ浜レストハウスで提供されており、新鮮なサーモンやイクラを自分でのせて楽しめます 。
- 浄土ヶ浜レストハウス「磯ラーメン」： 漁港からすぐ。三陸の海の幸がたっぷり詰まった豪華な一杯は、釣りの後の冷えた体に最高のご褒美です 。
- 真崎わかめ： 宮古が誇る最高級ブランド [41]。白浜の荒波で育った肉厚なワカメは、お土産として全国のファンに愛されています 。
- 宮古の真鱈まつり： 2026年1月25日に開催予定。白浜沖で獲れた巨大なマダラを味わえる冬の最大イベントです。
安全設備と駐車場：14.7mの壁を越える意識
白浜漁港は近代的な防災設備が整っていますが、以下のルールを厳守しましょう。
- 防潮堤と視認性： 最新の防潮堤には「覗き窓」が設置されており、海への視認性が確保されていますが、緊急時はすぐに高台へ避難できる準備をしておきましょう [2, 42]。
- 駐車場事情： 浄土ヶ浜第1〜第4駐車場（計450台）が利用可能です 。漁港内への無理な駐車は控え、観光客と譲り合いましょう。
- ライフジャケットの着用義務： 水深が非常に深く、潮流が速い白浜の海では、転落は命に関わります。必ず浮力体のしっかりしたものを着用しましょう [20, 21]。
