佐賀県佐賀市諸富町寺井津、筑後川と早津江川が織りなす広大な汽水域に位置し、日本一の生産量を誇る「佐賀海苔」の巨大揚陸拠点「寺井津(てらいづ)漁港」。ここは昭和27年(1952年)の指定以来、戸ヶ里地区と一体となって年間陸揚金額110億円を超える驚異的な収益力を築き上げてきた、まさに「水産経済のモンスター・ポート」です [16]。釣り人にとっては、筑後川が運ぶ豊富な栄養分が「ランカーシーバス」や有明海固有種「エツ」を呼び寄せる、玄人好みのハイポテンシャル・フィールド。明治期の技術伝播から、2025年春に開催される「弥生の丘マルシェ」の賑わい、そして軟弱地盤における液状化対策まで。佐賀の海が誇る最高峰の生産現場を、圧倒的な情報量で解き明かします。
寺井津漁港の基本スペック・施設情報
寺井津漁港は、佐賀市が管理する第2種漁港です [16]。戸ヶ里、早津江、大詫間など複数の地区を包括する広域的な漁港施設群の中核を成し、登録漁船数は602隻に達します [16]。筑後川の河口部に位置するため、淡水と海水が混ざり合う汽水域の特性を活かした高度な養殖業が展開されており、冬季の最盛期には大型のノリ収穫船が活発に行き交う「水産コンビナート」の様相を呈します。
| 漁港名 | 寺井津漁港(てらいづぎょこう / 戸ヶ里・寺井津漁港) |
|---|---|
| 漁港種類 | 第2種漁港(管理者:佐賀市) |
| 所在地 | 佐賀県佐賀市諸富町大字寺井津字搦 ほか [17, 16] |
| 主なターゲット | 佐賀海苔(生産)、スズキ(シーバス)、エツ、ハゼ、チヌ、コノシロ、シロギス |
| 駐車場 | あり(港内の作業スペース周辺。ノリ収穫期は漁業活動を最優先) |
| トイレ | あり(近隣のコミュニティセンターや公園施設に完備) |
| アクセス | 長崎自動車道「佐賀大和IC」より車で約40分。佐賀空港から車で約15分。 |
地形と潮回り:汽水域が作る「ミネラル・スープ」と爆速の下げ潮
寺井津漁港のポテンシャルを決定づけているのは、筑後川が運び込む膨大な栄養塩(窒素・リン)と、最大約6メートルに達する干満差です。一日に二回、ノリが海中での栄養吸収と大気中での干出(日光浴)を繰り返すことで、独特の旨味と柔らかさが形成されます [18]。釣りにおいては、筑後川河口域の「濁り」と「強烈な流れ」がシーバスの捕食スイッチを入れます。2025年の最新海洋調査によれば、付近の海水は例年よりも塩分濃度が安定しており、大型シーバスの回遊路として極めて良好なコンディションが続いています [6]。
2026年に向けては、海水温の上昇に伴い、従来よりもベイト(コノシロ)の滞留時間が長くなると予測されており、12cm以上のリップレスミノーを用いた「シャロー(浅場)ドリフト」が、不意のモンスターを仕留めるためのメインメソッドとなるでしょう [19, 20]。
寺井津漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2026年最新版
① 筑後川導流堤・テトラ付近(ランカーシーバス)
寺井津で最も実績の高いシーバスの一等客席。2026年1月のレポートでは、下げ潮の激流の中で「セットアッパー 125S-DR」を流したアングラーが、80cmオーバーのランカーサイズをキャッチしています [6]。濁りの強い汽水域では「ケイムラ」や「490グロー」といった高アピールカラーが極めて有効。干潮時には根が露出するため、ルアーのロストに注意が必要です [9]。
② 諸富・浮桟橋周辺(アジング&ハゼ)
足場が安定しており、ライトゲームに最適なエリア。2025年夏の調査では、チョイ投げで20cm超の「ジャンボハゼ」や小型のアジが数釣りできています [21]。1.0gの「アジスタ!」を用いたボトム攻略が2026年の推奨スタイル。淡水の影響を強く受けるため、天候や雨量によって魚種の入り混じりが激しく、初心者でも「有明海の生命力」を肌で感じることができます。
③ 諸富鉄橋跡・周辺護岸(エツ&コノシロ)
初夏の風物詩、エツ狙いの拠点です。有明海にしか生息しない珍魚・エツの回遊路に位置し、専用のサビキ仕掛けで賑わいます。また、冬場にはベイトとなるコノシロの巨大な群れが入線し、それを追ってシーバスが港内まで入り込みます。2025年のトレンドは、波動の強いバイブレーションによるボトム付近のリアクション狙いです [19]。
明治の伝播と収益100億の軌跡|寺井津が歩んだノリ養殖の歴史
寺井津漁港の周辺には、自然のサイクルを産業に変えてきた先人たちの情熱が眠っています。
江戸から明治へ繋がる「海苔の道」
ノリ養殖の技術的ルーツは、江戸時代の東京湾(大森)に遡ります。明治時代に入り、熊本から北上した技術が寺井津周辺の汽水域に到達した際、その適性が認められ飛躍的に発展しました [22]。当初は「ヒビ」と呼ばれる竹を立てるだけの原始的な手法でしたが、有明海のダイナミックな環境を活かした「支柱式」養殖が確立。今ではAI水質監視や自動収穫機を導入する、世界最高峰の生産現場となりました [23]。
「海茸捻じ」という伝統漁法
大正時代、寺井津周辺では樫の棒の先に鉄の金を付け、泥の中の海茸を絡め取る「海茸捻じ(うみたけねじ)」という独自の漁法が現れました [24]。こうした泥干潟(ガタ)特有の伝統技術は、現代の力強い漁業活動の中にも静かに受け継がれており、地域のアイデンティティを形成しています。釣行の際、広大な干潟を眺めれば、数百年続く開拓の執念を感じることができるはずです。
2025年 寺井津漁港・佐賀エリアの最新ニュースとトピックス
2025年、佐賀市諸富町では地域資源を再定義するイベントが活況を見せています。
- 【2025年5月】弥生の丘マルシェ2025開催: 5月3日〜6日に吉野ヶ里歴史公園で開催 [25, 26]。寺井津産の最高級海苔や特産魚介が即売され、県内外から多くの美食家が集まり、過去最高の動員を記録しました。
- 【話題】「有明海のエイリアン」ワラスボの再ブーム: 2025年、寺井津で水揚げされたワラスボの加工品がSNSで世界的に拡散。見た目のグロテスクさと上品な味のギャップが、新しい観光需要を生んでいます [27, 28]。
- 【最新】2026年1月「新海苔初セリ」の活気: 新幹線開業後の贈答需要拡大により、過去最高値が更新 [28]。寺井津漁港周辺の加工工場は、24時間体制の熱気と磯の香りに包まれています。
施設情報と「有明の至宝」絶品グルメ
寺井津での釣行を完璧なものにするなら、周辺の「極上の味」をチェックしましょう。
- お食事処 丸徳(川副): 佐賀市南部を代表する人気店 [29]。2025年も「トロトロの甘い卵のカツ丼(990円)」が絶品と評判。忙しい漁師さんたちを支える提供スピードの速さは圧巻です 。
- 鹿江亭 徳進: 川副町にある定食の名店 [30]。ボリューム満点の「チキン南蛮定食」は、釣りの後の疲れを吹き飛ばす最高のパワーフードです。
- 三福海苔「美香舞(みかまい)」: 寺井津を含む佐賀市沿岸の「一番摘み」のみを厳選 [28]。口の中でとろける甘みと香りは、釣行の最高のお土産になります。
安全設備とルール:1983年日本海中部地震の教訓「液状化の脅威」
地盤の軟弱な筑後川河口域は、独特のリスクを内包しています。以下のルールを遵守しましょう。
- 強い揺れを感じたら即、垂直避難: 1983年の日本海中部地震では、砂地地盤において地下タンクが浮上するなどの甚大な液状化被害が発生しました [15]。地震の際は足元の崩壊に警戒し、即座に「佐賀市川副町鹿江地区避難場所(海抜3.4m)」などの高台へ避難してください [31]。
- 急激な潮位上昇に警戒: 有明海の潮は「走る」と言われるほど早く満ちてきます [21]。干潟での活動時はタイドグラフ(潮汐表)を常に確認し、退路を断たれる前に移動してください。
- サケ・マス採捕の厳禁: 2025-2026年も、佐賀県内全域で釣りによるサケの採捕は一切禁止。地域の財産を尊重し、健全な釣行を心がけましょう 。
