徳島県阿南市那賀川町江野島、紀伊水道の中枢に位置し、幾島川の河口がもたらす豊かな滋養が海へと注ぐ「今津(いまづ)漁港」。ここはかつて阿波藩の「水守(みずもり)」たちが治水と漁業の調和に知恵を絞った地であり、現代においては「27cm超のタケノコメバル」や「良型アジ」の実績で、徳島県東部のアングラーから厚い信頼を寄せられる実力派フィールドです。砂泥地と汽水域、そして強固なテトラ帯が織りなす多様な生態系は、一年を通じて「ボウズ知らず」の安定感を誇ります。安政・昭和の南海地震の爪痕を「海嘯潮痕標石」として今日に伝えつつ、地元で話題の「溶岩焼きハンバーグ」や最新の釣りイベントで沸き立つ、今津漁港の深層を圧倒的ボリュームで解き明かします。
今津漁港の基本スペック・施設情報
今津漁港は、徳島県が管理する第2種漁港です 。昭和27年(1952年)4月7日に第1種漁港として指定された後、利用範囲の拡大に伴い昭和43年(1968年)に第2種へと昇格した歴史を持ちます [2]。阿南市那賀川町の江野島地区に位置し、阿南中央漁業協同組合の管轄下にあります。主な漁業はワカメ・ノリの海面養殖のほか、小型底びき網やパッチ網漁が盛んで、特にイワシ類の稚魚(シラス)の重要な水揚げ拠点となっています。第9次漁港整備計画までに防波堤や岸壁、道路整備が完了し、非常に機能的な港湾構造を誇ります [2]。
| 漁港名 | 今津漁港(いまづぎょこう) |
|---|---|
| 漁港種類 | 第2種漁港(管理者:徳島県) [2] |
| 所在地 | 徳島県阿南市那賀川町江野島 |
| 主なターゲット | アジ、メバル、カサゴ、タケノコメバル、シーバス、クロダイ(チヌ)、マハゼ |
| 駐車場 | あり(漁港内に広い公共スペースあり。漁業用車両優先) |
| トイレ | あり(港周辺施設に完備。清掃マナーを厳守してください) |
| アクセス | 徳島自動車道「徳島IC」より車で約50分。JR牟岐線「阿波中島駅」より車で約10分。 |
地形と潮流:幾島川の「栄養の扇」と紀伊水道の「激流」
今津漁港の最大の特徴は、幾島川の河口部に位置することによる「汽水域の恩恵」です。河川から供給される有機物や酸素が、紀伊水道の新鮮な海水と混ざり合うことで、プランクトンから小魚、そしてそれを狙う肉食魚まで、極めて高い生物密度を維持しています。港内は平均水深3m〜5mと比較的浅めですが、海底は砂泥地を中心に、堤防の基礎石周辺には複雑なストラクチャーが形成されています。
2025年の最新海洋調査によれば、底質にはシラス漁の副産物となる豊かな生態系が存在し、これがマハゼやタケノコメバルの巨大化を支えています。潮回りについては、満潮時に川の遡上が止まり、下げ潮に転じる瞬間、防波堤先端で発生する「ヨレ」がライトゲームにおける最大の時合となります。冬場でも海水温の低下が比較的緩やかで、2026年に向けては越冬するメッキアジの定着も期待されるなど、常に新たな驚きを秘めたフィールドです。
今津漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2025-2026年最新戦略
① 外防波堤・先端テトラ帯(シーバス&アジング)
今津で最も潮通しが良く、大型の期待が高いポイント。2025年11月の釣果速報では、アジ、イワシ、ヒイラギが計24尾という賑やかな数釣りが報告されました [7]。2026年へのトレンドは、1g前後のジグヘッドに「ダイワ シラスビーム 1.5in」を合わせたドリフト釣法。夜間は常夜灯の影響を強く受けるため、シーバスゲームでは「コアマン VJ-16」等のシャッドテール系ルアーでの表層攻略が2025年も安定した実績を上げています。
② 港内護岸・車横付けエリア(ロックフィッシュ&ファミリー)
足場が非常に良く、初心者や家族連れに最適なエリア。2025年12月29日には、ボトムへのワーム落とし込みでチビカサゴが連発しています 。特筆すべきはタケノコメバルのポテンシャルで、過去には27cmクラスの良型もキャッチされています 。ヒットルアーは「レインズ チビキャロスワンプ」のクリア系。海底の沈み根を丁寧に探ることで、冬場でもお土産確保の確率が非常に高い、今津漁港の鉄板ポイントです。
③ 幾島川河口・シャローエリア(マハゼ&クロダイ)
汽水域を好む魚種が集まるテクニカルポイント。2025年11月15日には、チョイ投げ釣りで17cmのマハゼがキャッチされており、天ぷら用のお土産として人気です [7]。また、夏場から秋にかけては「チニング(チヌ狙いのルアー釣り)」が熱く、トップウォータープラグやズル引き系リグ(ジャッカル ちびチヌヘッド等)で、40cmを超えるクロダイやキビレの強烈な引きを楽しむことができます。底質にカキ殻が混じるため、ラインブレイクには十分な注意が必要です。
「欲を棄てた者」の教訓と水守の誇り|今津の郷土史
今津漁港の穏やかな景観の裏には、荒ぶる自然と向き合い、命を繋いできた地域の強靭な物語が刻まれています。
1946年「昭和南海地震」と海嘯潮痕標石
今津町住吉の住吉神社境内には、「海嘯潮痕標石」が設置されています 。これは1946年12月21日の昭和南海地震において、津波が到達した物理的な高さを標した石碑です。碑文には「昭和二十一年十二月二十一日 南海大地震 海嘯潮痕」と刻まれ、当時の惨状を無言で伝えています。また、近隣の八幡神社前には安政南海地震の際の記録もあり、老人や子供を優先して迅速に避難させた結果、「一人も死者を出さなかった」という誇り高い成功体験が記されています [3]。この「資産よりも命を優先する(欲を棄てて逃れる)」という教訓は、現在の今津の防災意識の根幹となっています。
「幾島川」の治水と江野島の由来
今津漁港が位置する江野島地区は、かつて那賀川の分流が幾重にも重なるデルタ地帯でした。江戸時代、徳島藩の治水工事によって現在の幾島川が整備され、今津は「水から守られた新しい大地」として開拓されました。地名の「今津」は、新しく築かれた港(津)という意味を含んでおり、開拓精神旺盛な人々の暮らしが、現在のシラス漁や養殖業の発展へと繋がっています。釣行の際、川の流れを見つめると、大地を切り拓いてきた先人たちの息吹を感じることができます。
2025-2026年 今津漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、今津漁港周辺は伝統行事と最新の釣り大会で盛り上がりを見せています。
- 【2026年1月11日】釣〜リズムフェスティバル2026: 阿南・海部地域を挙げた大規模大会が開催 。牟岐大島を舞台にしたグレ釣り大会と連動し、今津周辺でも釣り文化の発信が行われ、多くの家族連れが港を訪れました。
- 【2025年7月】阿南の夏まつり: 7月26日・27日に開催。阿南市役所周辺や浜の浦緑地で100店舗超の屋台が並び、音楽花火が今津の夜空も彩りました 。
- 【最新】シラス漁好調と「干し場」の活気: 2025年末から2026年初頭にかけて、上質なシラスが水揚げ。漁港近くの加工場では、釜揚げシラスが並ぶ冬の風物詩が見られ、釣り人にも直売価格で提供されています。
「溶岩焼きハンバーグ」と鮮魚ランチの極味
今津漁港での釣行を忘れられないものにするなら、周辺の「五感に訴える味」を堪能しましょう。
- 溶岩焼きステーキ&ハンバーグ 崋山(那賀川町): 今津漁港から車でわずか数分。地元の石を削り出した石皿を熱し、ハンバーグが「クツクツ」と音を立てる演出が話題の人気店です [6, 8]。2025年も「見る、味わう、楽しむ」をコンセプトに、行列の絶えないスポットとなっています 。
- おさかなひぐち(阿南市羽ノ浦町): 元魚屋が経営する「地元民が通う鮮魚ランチの聖地」 [8, 9]。その日に今津や近隣港で獲れたばかりの魚を刺身や煮付けで提供。1,800円前後で味わえる「お勧め刺身定食」は、鮮度と甘みが段違いです。
- 徳島コーヒーワークス このぶ店: 那賀川町内にある本格派カフェ。釣りの合間に「阿波のコーヒー文化」を楽しみながら、パスタランチで一息つくのも2025年のアングラーのトレンドです 。
安全設備とルール:河口特有の急潮と向き合う
今津漁港は穏やかな反面、河口付近ならではの危険があります。以下のルールを厳守しましょう。
- 揺れを感じたら即座に住吉神社方面へ: 昭和南海地震の教訓が示す通り、このエリアへの津波到達は迅速です。揺れを感じたら、迷わず海嘯潮痕標石のある住吉神社や、さらに背後の高台(那賀川中学校方面など)へ避難してください 。
- 二枚潮と複雑な流れに注意: 幾島川の水と海水の比重差により、表層と底層で流れが異なる「二枚潮」が発生します。キャスト時は周囲の釣り人と仕掛けが祭らないよう配慮が必要です。
- ライフジャケットの完全着用: 2026年も徳島県内では安全啓発を強化。特にテトラ帯や足場の不安定な場所では、自己防衛のための着用を徹底してください。
