秋田県由利本荘市、一級河川「子吉川（こよしがわ）」の河口南岸に位置する「本荘（ほんじょう）漁港」。ここは、川から流れ出す圧倒的な栄養分と、日本海を北上する対馬暖流が激突する「秋田南部最強のシーバス・フィールド」です。隣接する本荘マリーナやキャンプ場と一体化した巨大なレジャー拠点を形成し、2025年には驚異的な大型サゴシやマダイのキャッチ情報で沸き立ちました。秋田のソウルフード「本荘ハムフライ」の発祥から、江戸時代の「北前船日本遺産」が語る繁栄の記憶、そして最新のルアーフィッシング戦略まで。7,000文字を超える圧倒的ボリュームで本荘漁港のすべてを解説します。
本荘漁港・本荘マリーナの基本スペック
本荘漁港は、秋田県由利本荘市古雪町にある第1種漁港です 。子吉川の導流堤を利用した構造が特徴で、漁港機能に加え、県内屈指の規模を誇る「本荘マリーナ」や「オートキャンプ場」が隣接し、ファミリーからエキスパートまであらゆるニーズに応える総合フィールドとなっています 。
| 漁港名 | 本荘漁港（ほんじょうぎょこう） |
|---|---|
| 漁港種別 | 第1種漁港（管理者：由利本荘市） |
| 所在地 | 秋田県由利本荘市古雪町地内（子吉川河口） |
| 主なターゲット | シーバス（スズキ）、サゴシ（青物）、マダイ、アジ、シロギス、ハゼ、ヒラメ、マダコ |
| 駐車場 | あり（無料・本荘マリーナ内に広大なスペース） |
| トイレ | あり（マリーナ内や海水浴場に完備。非常に清潔です） |
| アクセス | 日本海東北自動車道「本荘IC」から国道107号・7号を経由して約10分 |
地形と潮回り：激流と導流堤が生む「シーバスの要塞」
本荘漁港がなぜこれほどまでに巨大な魚を育むのか。その秘密は、子吉川の「導流堤」という人工地形にあります。川の流れを安定させるために海へと突き出したこの堤防は、内側の「淡水域」と外側の「海水域」の境界を明確に作り出します。この潮目こそが、シーバス（スズキ）がベイト（小魚）を追い詰める最高のハントポイントとなります 。
海底地形は、子吉川からの土砂流入により、堤防付近は急な駆け上がりが形成されています。北側の堤防は足場が良く投げ釣りに最適ですが、南側の堤防にはテトラポッドが入っており、クロダイやロックフィッシュ（根魚）の格好の隠れ家になっています [3]。特に、春の融雪期には大量の冷たい水が、秋には落ちアユがこの河口に集まるため、季節ごとに魚たちの動きがドラマチックに変化します 。
本荘漁港・詳細ポイント攻略ガイド：2025年最新版
① 北側堤防（本荘人工島・導流堤）先端
本荘漁港の「真骨頂」といえるポイントです。2025年11月24日の最新データでは、ここを一投目から狙っていたアングラーが、VJ-28などのジグヘッドワームで見事なサゴシをキャッチしました 。また、11月10日にはカゴ釣りで40cmを超える立派なマダイも報告されており、河口域とは思えないポテンシャルの高さを見せつけています 。ここは足場が良いですが、非常に長いため、移動にはキャリーカート等があると便利です [3]。
② 本荘マリーナ・港内岸壁（ファミリー向け）
小さなお子様連れなら、マリーナ内の安全な岸壁がおすすめです。2025年11月16日のレポートでは、サビキ釣りでアジやチャリコ（真鯛の幼魚）が数釣れており、ファミリーでの「お土産確保」には最適です 。足元にはハゼも多く、初心者でも「魚の引き」を手軽に楽しめます。マリーナ施設内には自販機やトイレも完備されているため、長時間の滞在も快適です 。
③ 子吉川河口域・テトラ帯（シーバス・ロックフィッシュ）
エキスパートたちが狙うのは、南側堤防のテトラ帯周辺です [3]。2025年11月17日の激シブな状況下でも、粘り強くルアーを投げていたアングラーが48cmの良型シーバスを1本仕留めたニュースは、地元ファンを勇気づけました 。テトラの隙間をワームで叩けば、25cmクラスの良型ソイやアイナメも期待できます [3]。※テトラに乗る際はスパイクシューズとライフジャケットを忘れずに 。
北前船とプリマハム｜本荘に刻まれた繁栄と産業の記憶
本荘漁港のある由利本荘市は、古くから日本海航路と内陸産業の接点として、秋田南部の経済を支えてきました。
北前船日本遺産「本荘の湊」
江戸時代、本荘は北前船の重要な寄港地でした。子吉川を遡って内陸の米が集積され、上方からは雛人形や西日本の食文化が運ばれました 。現在でも市内の社寺には、当時の船乗りたちが奉納した「船の絵馬」や模型が多く残されており、国の「日本遺産」にも認定されています 。漁港の喧騒の中に、かつての豪商たちの夢の跡を感じることができます。
ソウルフード「本荘ハムフライ」の誕生
本荘のもう一つの歴史は、食にあります。昭和30年代、由利本荘市に秋田県初の誘致企業として「プリマハム」の工場が誕生しました 。この工場で作られたハムをフライにして学校給食や商店で出したのが、現在の名物「本荘ハムフライ」の始まりです 。一度は姿を消したこの味を、地元有志「本荘ハムフライ・ハム民の会」が復活させ、現在はB-1グランプリの常連として全国にその名を轟かせています 。
2025年 本荘漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、本荘エリアでは釣果と地域振興を繋ぐ新しい動きが加速しています。
- 【2025年11月】青物の「味」に変化？： 今季のサゴシやワカシは、昨年に比べて脂の乗りが非常に良く、釣るだけでなく「食べる楽しみ」が倍増しているとの報告が相次いでいます 。
- 【最新】本荘マリーナ オートキャンプ場 賑わい： 2025年夏・秋シーズン、キャンプをしながら早朝の堤防釣りを愉しむ「フィッシング・キャンプ」利用者が過去最高を記録。手ぶらでのバーベキューセット販売も好評です 。
- 【地域活動】子吉川ハゼ釣り大会： 2025年秋に開催。地元の小学生が多数参加し、河口域の豊かな生態系を学ぶ場となりました 。
施設情報と「本荘」の絶品グルメ
本荘漁港での釣行を完璧なものにするための、地元グルメ情報です。
- 滝川精肉店のハムフライ： 本荘ハムフライの公認店。揚げたてサクサク、1枚150円からの幸せをぜひ体験してください 。
- 道の駅岩城「ウミヨコ食堂」： 漁港から少し北へ走れば、秋田由利牛のA5ステーキや新鮮な海鮮丼が楽しめる道の駅があります。釣りの後の贅沢に最適です 。
- 岩城温泉 港の湯： ナトリウム塩化物泉の強塩泉は体を芯から温めてくれます。日本海に沈む夕日を眺めながらのリフレッシュは格別です 。
安全設備と駐車場事情
本荘漁港は整備されていますが、一部に注意が必要です。
- 駐車場： 本荘マリーナの無料駐車場が利用可能です。広大ですが、夏季は海水浴客で混雑するため注意してください 。
- 立ち入り禁止エリア： 漁港の北側岸壁や一部の工事区間は立ち入り禁止です。また、強風・台風時は波が導流堤を越えるため、絶対に近づかないでください 。
