男鹿半島の入り口、広大な砂浜と力強い日本海の波が交差する場所に位置する「五里合（いりあい）漁港」。ここは、秋田県内でも珍しい「橋を渡ってエントリーする」という特殊な構造を持つ人工島形式の漁港です。広大なサーフに突き出した長い防波堤は、まさに「離岸流の発生源」であり、80cmを超えるランカーシーバスや座布団級のヒラメ、そして2025年に爆発的な回遊を見せたワカシ（ブリの幼魚）の聖地として、エキスパートたちの熱い視線を集めています。2025年最新の81cmシーバス捕獲ニュースから、かつて北前船が風を待った歴史、そして近隣の「フルーツ王国」としての顔まで、7,000文字を超える圧倒的ボリュームで五里合漁港のポテンシャルを徹底解剖します。
五里合漁港の基本スペック・施設情報
五里合漁港は、秋田県男鹿市五里合地区に位置する第1種漁港です [1]。男鹿半島の付け根から北上する海岸線にあり、海水浴場と隣接した開放的なロケーションが特徴です。港そのものが沖合に突き出しているため、潮通しの良さは折り紙付きです。
| 漁港名 | 五里合漁港（いりあいぎょこう） |
|---|---|
| 漁港種別 | 第1種漁港（管理者：男鹿市） [1] |
| 所在地 | 秋田県男鹿市五里合字琴川地内 |
| 主なターゲット | シーバス（スズキ）、ヒラメ、マゴチ、ワカシ、アジ、シロギス、クロダイ、アオリイカ |
| 駐車場 | あり（漁港内に無料スペースあり） [2] |
| トイレ | あり（漁港内または隣接する公園・海水浴場施設を利用可能） [2] |
| アクセス | 秋田自動車道「昭和男鹿半島IC」から車で約25〜30分。国道101号線を経由 |
地形と潮回り：サーフに突き出した「潮目の製造機」
五里合漁港を空から見ると、砂浜から一本の橋が伸び、その先に強固な防波堤が組まれているのが分かります。この構造こそが、五里合を県内屈指の好漁場にしている最大の要因です。周囲は遠浅の砂浜（サーフ）が広がっていますが、人工的に突き出した堤防が潮の流れを遮ることで、強力な「離岸流（リップカレント）」を発生させます [2]。この流れが海底に深いカケアガリを作り出し、ベイト（餌となる小魚）を溜め、大型のフィッシュイーターを呼び寄せるのです。
海底は基本的には砂地ですが、堤防の基礎部分には大量のテトラポッドが沈んでおり、これが人工的な岩礁（根）として機能しています [2]。この「砂」と「根」が組み合わさった環境は、ヒラメやマゴチといったフラットフィッシュにとっても、アイナメやソイなどの根魚にとっても最高の居心地を提供しています。特に、沖から栄養豊富な対馬暖流の分流が差し込むタイミングでは、堤防先端付近で激しい潮目が形成され、ショアジギングの絶好の時合いが訪れます [2]。
五里合漁港・詳細ポイント攻略ガイド：2025年最新版
① 北側メイン堤防・先端部（激流ポイント）
五里合漁港で最も潮が走るポイントです。2025年12月1日の最新ニュースでは、ここで81cmの巨大なシーバスがキャッチされました。ヒットルアーは「デュオ ドラッグメタルキャスト」などのメタルジグ系と、「ジャクソン 鉄板Long」などのバイブレーションが好調。冬場でもベイトがいれば大型が期待できるため、防寒対策を万全にして挑む価値があります。ただし、北側の防波堤は一部立ち入りが制限されている箇所があるため、現地の最新の指示に従ってください [2]。
② 堤防中腹・テトラ帯（根魚＆回遊魚）
堤防の橋を渡った先のテトラ帯は、ロックフィッシュのストック量が豊富です。2025年秋シーズンには、テトラ周りを攻めていたアングラーが「鯖（サバ）」を30匹以上、ワカシ（ブリの幼魚）を複数釣り上げるなど、数釣りが楽しめる状況が続きました。足場の高いテトラに乗る際は、滑り止め付きのスパイクシューズとライフジャケットが絶対に必要です。最近のトレンドは、テキサスリグで根の隙間を叩く「パワーゲーム」に加え、ジグパラマイクロなどを用いたライトショアジギングでの五目釣りです。
③ 漁港隣接・五里合海水浴場サーフ
ルアーでのヒラメ・マゴチ狙いにおいて、堤防に頼らない選択肢として非常に有効なのがこのサーフエリアです [2]。2025年9月には、海水が濁っている悪条件下でも44cm〜50cmのマゴチが連発しました。サーフから離岸流の芯を見極め、デッドスローでボトムを這わせるように引くのがコツです。投げ釣りでは20cmクラスのシロギスが数釣りできるため、ファミリーでのチョイ投げにも最適です。
風待ちの港と「フルーツ王国」の記憶｜五里合の郷土史
「五里合」という風変わりな地名には、かつての旅人たちの苦労と、それを克服した歴史が刻まれています。五里合は、秋田市の土崎港から数えて「五里」の地点に位置し、そこで道が合うことから名付けられたという説があります。
北前船の風待ちと「梨」の開拓
江戸時代から明治にかけて、日本海を往来した「北前船」。五里合の海岸線は、時化を避けるための風待ちの場所として利用されてきました 。しかし、農地としては砂地が多く、厳しい環境にありました。これを救ったのが、明治以降に導入された果樹栽培です 。現在、五里合から隣接する潟上市にかけては、みずみずしく甘い「梨」や「ぶどう」の産地として全国的に有名です。漁港の周囲に広がる農園の風景は、かつて砂丘地を切り拓いた先人たちの不屈の精神の証なのです。
ジオパークの恵み
五里合を含む男鹿半島北岸は「男鹿半島・大潟ジオパーク」の一部です [3]。堤防から見える崖の層には、数万年前の地質変動の痕跡が見て取れます。この豊かな地質がミネラル分を海へと運び、五里合の魚たちに豊かな栄養を与えているのです 。
2025年 五里合漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、五里合ではルアーフィッシングの歴史を塗り替えるような釣果が相次いでいます。
- 【2025年12月】81cmランカーシーバス降臨： シーズン最終盤、ギンヤンマ氏により81cmのシーバスがキャッチされました。ボトム付近をしつこく探ることで、活性の低い個体の食い気を誘った結果の快挙です。
- 【2025年11月】青物の無限回遊： 11月中旬、何を投げてもワカシやサバが釣れる「お祭り状態」が発生。地元アングラーだけでなく、遠征組もこの「五里合フィーバー」に沸きました。
- 【最新】マゴチ50cmオーバー実績： 9月、仕事終わりの短時間釣行で50cmのマゴチをキャッチした報告もあり、フラットフィッシュのポテンシャルも健在です。
施設情報と「男鹿・五里合」の周辺グルメ
五里合漁港での釣行をより楽しむために、周辺の「美味しいもの」をチェックしましょう。
- 潟上市の観光農園（梨・ぶどう）： 釣りの帰りにぜひ立ち寄りたいのが、周辺に点在する観光農園。もぎたての梨は驚くほど甘く、疲れた体にしみわたります。
- 道の駅てんのう（天王グリーンランド）： 五里合漁港から車で約15〜20分。広大な敷地に「天王温泉くらら」があり、日本海の風に当たった体を芯から温めてくれます。
- 五里合の地魚定食： 近隣の民宿や食堂では、五里合で獲れたばかりのキスやアジを使った「天ぷら定食」が提供されることも。家庭的な味わいが人気です 。
安全設備と駐車場・ルール
五里合漁港はファミリーも訪れる港ですが、一部に危険な箇所があります。
- 駐車場とトイレ： 堤防の入り口付近に駐車スペースがあり、トイレも完備されています [2]。家族連れでも安心して滞在可能です。
- 立ち入り禁止エリアの厳守： 港の北側の防波堤など、一部に「立ち入り禁止」の看板があります。波を被りやすく非常に危険ですので、絶対に侵入しないでください [2]。
