岩手県宮古市、震災復興の象徴・田老地区のすぐ北に位置する「小港(こみなと)漁港」。ここはリアス海岸特有の深い入り江の奥にあり、外洋の荒波を逃れて回遊魚やイカが溜まりやすい「北三陸のシェルター」のような港です。2025年には「29cmの泣き尺アジ」や、驚愕の「アワビ・ウニ放流資源」による豊かな魚影が報告され、初心者からエキスパートまであらゆるスタイルを受け入れる懐の深さが魅力。南部藩時代に藩の外港として定められた宮古の歴史、摂待地区と一体化した養殖業の歩み、そして2025年最新の釣果データまで。圧倒的ボリュームで、小港漁港のすべてを解説します。
小港漁港の基本スペック・施設情報
小港漁港は、岩手県宮古市田老地区にある第1種漁港です [1, 19]。田老の市街地から車で数分、摂待漁港と並び、田老町漁業協同組合が管轄する重要な養殖・磯漁業の拠点です。震災後のインフラ整備が完了し、現在はワカメやコンブの養殖いかだが湾内に並ぶ、生命力に満ちた風景が広がっています [20, 21]。
| 漁港名 | 小港漁港(こみなとぎょこう) |
|---|---|
| 漁港種類 | 第1種漁港(管理者:宮古市) [1] |
| 所在地 | 岩手県宮古市田老字小港地内 |
| 主なターゲット | アイナメ、クロソイ、メバル、アジ、ヤリイカ、サバ、ドンコ、マダコ |
| 駐車場 | あり(無料・漁港内に若干の駐車スペースあり。作業車両優先) |
| トイレ | あり(港内に完備されています。Googleマップで確認可能) |
| アクセス | 三陸沿岸道路「田老北IC」より車で約5分。国道45号線からの分岐すぐ |
地形と潮回り:深い湾の懐が生む「ロックフィッシュの揺りかご」
小港漁港の最大の強みは、その「湾内地形の安定性」にあります。外海が時化ていても港内は比較的穏やかで、対馬暖流が運び込んだプランクトンやベイト(餌)が湾内に溜まりやすい構造となっています [22]。海底は砂地と、護岸の基礎部分に敷き詰められた大量のテトラポッド・石積みが混在しており、これが根魚(ロックフィッシュ)にとって最高の産卵・育成場を提供しています。
潮回りについては、摂待地区にある「アワビ種苗生産施設」から放流された豊かな資源が、釣り人にとっても贅沢な環境を提供しています [20]。2025年の最新データによれば、冬場でも水温の低下が比較的緩やかで、12月後半まで25cmオーバーのソイやメバルの活性が持続する「ホットスポット」として機能しています [3, 4]。また、夜間は常夜灯が点灯し、ライトゲーム(アジング・メバリング)の格好のポイントとなります。
小港漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2025年最新版
① メイン防波堤(赤灯)先端部:青物とヤリイカの回廊
小港漁港で最も実績の高いエリアです。2025年12月26日の最新レポートでは、ここで良型のヤリイカが一晩で20杯以上キャッチされるなど、冬の「ヤリイカ・フィーバー」が起きています [4]。先端付近は潮目がはっきりと現れるため、ショアジギングでサバやイナダの回遊も期待できます。水深があるため、1.5g以上の重めのジグヘッドでカウントダウンをしっかり取るのが攻略のコツです。
② 港内・船溜まり岸壁(ファミリー・サビキ釣りの聖地)
足場が完璧に整備されており、車を近くに停めて釣りができるファミリーに最適なエリアです。2025年10月のレポートでは、サビキ釣りで豆アジやウマヅラハギが連発し、お土産確保に沸きました [5, 23]。夜間は常夜灯が点灯し、メバリングでの20cmオーバーの実績も安定。船の係留ロープには十分に注意してキャストしましょう [6]。
③ 堤防付け根・消波ブロック帯:ランカーアイナメの巣窟
根魚狙いなら、堤防の外側に敷き詰められたテトラ帯がおすすめ。2025年12月20日の最新データでは、ここで43cmの見事なアイナメがキャッチされました [7]。ヒットルアーは「エコギア 熟成アクア バグアンツ」のまずめチャート。テトラの隙間にリグを送り込み、リアクションで食わせる技術が求められます。ここには尺(30cm)超えのクロソイも多数潜んでいます [24]。
南部藩の外港と復興への歩み|小港に刻まれた強靭な歴史
小港漁港の歴史は、宮古の海上交通史と、幾多の災害を乗り越えてきた「再生の物語」です。
南部利直公と宮古港400年の誇り
南部藩第2代藩主・南部利直公は、慶長の大津波から4年後の1615年、沿岸を視察し宮古港を藩の外港として定めました 。小港漁港を含むこの海域は、古くから南部藩の物資集散地として栄え、北前船によって運ばれた上方の文化が今も地域に息づいています [10]。釣行の際、周囲の険しい地層を見上げると、当時の船人たちが感じたであろう自然への畏敬の念が、現代の釣り人の心にも響くはずです。
東日本大震災からの迅速な再建
2011年の震災では、小港漁港も壊滅的な被害を受けましたが、2015年(平成27年)5月には復旧工事が完了しました 。再建された漁港は、単なる原形復旧に留まらず、養殖資材の管理を効率化するための作業場や、津波に対する減災機能を強化した構造へと進化しました 。現在は、震災前の生産水準を取り戻し、次世代へと豊かな海を繋ぐ拠点となっています。
2025年 小港漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、宮古市では自然の恵みと地域の新しい活気が話題を呼んでいます。
- 【2025年12月】アジング・泣き尺29cmの実績: 12月後半、海水温が安定していた時期に29cmの大型アジがキャッチされ、ライトゲームファンの間で大きな話題となりました 。
- 【最新】田老地区「うに・ほや祭り」2025: 2025年夏に開催されたイベントは、過去最高の来場者を記録。小港で水揚げされた新鮮なウニが、全国の食通を唸らせました [25]。
- 【話題】三陸沿岸道路 全線開通の効果: 2025年8月の全線開通により、仙台・盛岡方面からのアクセスが劇的に向上 。遠征アングラーにとって小港は「最も近い一級ポイント」の一つとなりました。
施設情報と「宮古・田老」の絶品グルメ
小港漁港での釣行を完璧なものにするなら、周辺の「魂の味」をチェックしましょう。
- 善助屋食堂(田老地区): 漁港から車で約10分。地元の深海魚ドンコやソイを贅沢に使用した「瓶ドン ZENSUKE(2,380円)」は、まさに三陸の至宝です [13]。
- 真崎わかめ: 田老地区が誇る最高級ブランド。小港の豊かな海で育った肉厚なワカメは、お土産として全国のファンに愛されています 。
- 浄土ヶ浜レストハウス: 車で約20分。三陸の海の幸がたっぷり詰まった「瓶ドン 浄土ヶ浜」や「磯ラーメン」が人気です [13, 14]。2025年冬からはマイカー規制が緩和され、利便性が向上しました [14]。
駐車場と安全対策:物流車両とクマへの警戒
小港漁港は現役の漁業拠点です。以下のルールを厳守しましょう。
- 駐車場マナー: 漁港内に明確な駐車場はありません。漁師さんのフォークリフトやトラックの導線を絶対に塞がないでください。路上駐車は厳禁です。
- クマ遭遇への注意: 2025年12月、由良地区などで漁港内でのクマ遭遇事案が発生しています 。山が近い小港周辺でも、早朝・深夜の単独行動には十分に注意してください。
- ライフジャケットの着用義務: 垂直なドロップオフが続く三陸の堤防では、転落は命に関わります。命を守るため、必ずライフジャケットを着用しましょう [8, 17]。
