京都府舞鶴市、波静かな舞鶴湾の最奥部に位置し、京都府内の全水揚げ量の約60%を占める巨大な流通拠点「舞鶴(まいづる)漁港(下安久・吉原地区)」。ここは、江戸時代に田辺城下の火災から集団移転して築かれた「吉原の舟屋群」が今も水路に影を落とし、日本のベニスとも称される情緒あふれる歴史の港です 。釣り人にとっては、湾内最大水深30mに達する「天然の良港」特有の静穏さと、周年を通してサゴシや良型アジが回遊する圧倒的な魚影の濃さで知られる超一級フィールド。2025年、10年ぶりにバージョンアップされた「舞鶴の旬の特鮮さかな」の選定ニュースから、室町時代より続く勇壮な火祭り「吉原の万灯籠」の熱狂、そして新スタイルの魚屋「サカナテラス」で味わう驚愕のコスパ定食まで。圧倒的な情報量で、舞鶴漁港の深層なる魅力を徹底解剖します。
舞鶴漁港の基本スペック・施設情報
舞鶴漁港は、京都府が管理する第3種漁港です [1]。下安久(しもあんぐ)、東吉原、西吉原、北田辺の広大なエリアにまたがり、近海漁業から大型底引き網漁まで多種多様な漁船が集う「京都の水産物流通の心臓部」として機能しています。湾口が狭く周囲を高い山々に囲まれているため、年間を通じて波浪が小さく、冬の日本海特有の時化(しけ)の日でも安定して竿を出せるのが最大の強みです [2]。
| 漁港名 | 舞鶴漁港(まいづるぎょこう) ※下安久・吉原地区 |
|---|---|
| 漁港種類 | 第3種漁港(管理者:京都府) [1] |
| 所在地 | 京都府舞鶴市字下安久、東吉原、西吉原、北田辺地内 [1] |
| 主なターゲット | サゴシ(サワラ)、アジ、タチウオ、クロダイ、コウイカ、アコウ、マダイ |
| 駐車場 | あり(下安久周辺に民間駐車場あり。漁港内は作業車両優先) |
| トイレ | あり(舞鶴港とれとれセンターやサカナテラス等の周辺施設に完備) |
| アクセス | 舞鶴若狭自動車道「舞鶴西IC」より車で約10分。JR「西舞鶴駅」より徒歩約20分。 |
地形と潮回り:水深30mの「沈降海岸」が生む巨大な生簀
舞鶴漁港のポテンシャルを決定づけているのは、舞鶴湾が持つ「天然の良港」としての地学的構造です。湾内は最大水深30mに達する一方で、大きな川の流入が少ないため土砂の堆積が少なく、一定の深さが岸近くまで維持されています [2]。この深い水域が、冬場の冷たい「日本海固有水」と表層の「対馬暖流」の境界線(潮目)を港内にまで引き込み、多種多様な魚種をストックさせる要因となっています [3, 2]。
2025年の最新海洋調査によれば、舞鶴漁港周辺の潮位差は最大でも40cm以下と極めて安定しており、これが魚類の居着きを良くしています [2]。潮回りについては、下げ潮時に舞鶴湾奥からゆっくりと外海へ向かう「払い出し」の潮が、下安久の岸壁や吉原の入江付近で「緩やかな反転流」を発生させます。このタイミングでプランクトンが密集し、それを追って2026年1月現在もアジやタチウオの巨大な群れが港内に留まり続けています 。
舞鶴漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2025-2026年最新版
① 下安久・メイン岸壁エリア(サゴシ&タチウオ)
舞鶴漁港で最も人気が高く、ショアジギングの聖地とされるエリアです [4]。2026年1月の最新レポートでは、ここで「ぶっ飛びダニエル(ジャクソン)」を用いたアングラーが、60cm級のサゴシや指4本サイズのタチウオを仕留めています 。足元から水深があるため、ボトムまで沈めてからのリフト&フォールが2025年からのトレンド。夜間にはワインド釣法でのタチウオ実績も非常に高く、24時間眠らないテクニカルなポイントです 。
② 吉原入江・スロープ周辺(アジング&ライトゲーム)
「日本のベニス」と呼ばれる情緒あふれるエリアで、アジングファンに最適です 。2026年1月の釣行記によれば、常夜灯周りをジグヘッド1.5gで探る中層スイミングにより、22cmクラスの「脂マシマシ」な良型アジが報告されています 。また、底が砂泥地であるため、春先にはコウイカのサイトフィッシングも楽しめ、2025年10月には19cmの良型が日中にキャッチされた記録もあります 。
③ 舞鶴親海公園・釣り護岸(ファミリー&五目釣り)
漁港エリアから車で移動できる、完璧に整備された海釣り公園です 。2025年秋シーズンには、サビキ釣りでアジやサバが鈴なりになり、初心者の家族でも2桁釣果を容易に達成しています。ルールとして竿は1人3本までと定められており、2025年からはライフジャケットの着用啓発がさらに強化されています 。冬期にはメダイやマダイの「五目釣り」の拠点としても沸いています 。
吉原の舟屋と1727年の大火|田辺城を守った漁師の誇り
舞鶴漁港の周辺には、戦国時代の武勇伝と江戸時代の都市計画が交差する重厚な歴史が刻まれています 。
「吉原」の移転:火除け地としての都市計画
江戸中期の1727年、田辺城下町で大規模な火災が発生し、城下の半分が消失しました 。当時、城下町の北端(現在の魚屋町付近)に住んでいた漁師たちは火元とされ、藩の命令により伊佐津川の対岸である現在の「吉原」地区へ集団移転させられました 。現在の整然とした街割りと水路はこの時に設計されたもので、両脇に舟屋が立ち並ぶ景観は300年前の「防災都市」としての記憶を今に伝えています 。
籠城戦を支えた「深夜の補給作戦」
遡ること1600年、関ヶ原の合戦直前の田辺城籠城戦において、吉原の漁師たちは大活躍しました 。細川幽斎率いる軍勢が籠城する中、彼らは深夜に海からこっそりと城内に侵入し、新鮮な魚や食糧を届け続けたといいます。この「開拓精神」と「忠義」が、後の舞鶴漁港の組織化と流通の仕組みを築く原動力となったと伝えられています 。
2025年 舞鶴漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、舞鶴市では水産資源の変動に対応した新たな取り組みと、伝統の継考が大きな注目を集めました。
- 【2025年12月】「特選京鰆」と「旬のさかな」更新: 海水温上昇に伴う魚種の変化を受け、市は10年ぶりに「舞鶴の旬の特選さかな」をバージョンアップ 。新たにマグロやヒラマサ、サカナテラスでも人気の「カメノテ」等が追加され、ブランド強化が進んでいます 。
- 【2025年9月】第36回まいづる魚まつり開催: 9月28日、下安久のせり会場付近で開催 。伊根マグロの解体ショーや自衛隊特別機動船の体験航海、さらに地魚フライを挟んだ『ゆうさいぱん』200個が即完売するなど、例年以上の盛り上がりを見せました 。
- 【2025年8月】吉原の万灯籠(火祭り): 8月16日に開催 。江戸時代中期にクラゲの大発生を鎮めるために始まったとされる勇壮な火祭りで、魚型の万灯籠が伊佐津川を照らし出す光景は、京都府指定無形民俗文化財の威厳を放ちました 。
施設情報と「サカナテラス」の極上グルメガイド
舞鶴漁港での釣行を完璧なものにするなら、周辺の「新世代の味」をチェックしましょう。
- サカナテラス(Sakana Terrace): 下安久に位置するオシャレな新スタイルの魚屋&食堂 。舞鶴港の競りで落とされたばかりの魚をその場で選び、お造りやフライ、煮付けに調理してもらえます 。3,000円前後で食べられる高級魚(ノドグロの一夜干し等)のボリューム満点定食は、驚愕のコスパと評判です 。
- 舞鶴港とれとれセンター: 日本海側最大級の海鮮市場 。お好きなネタを選んで作る「オリジナル海鮮丼」や、焼き立ての「鯛ちくわ」が人気です 。2025年も観光客の拠点として賑わっています。
- 舞鶴かに(緑タグ): 11月から3月が旬のブランド蟹 。身詰まりの良さを1枚ずつ手作業でチェックし、合格したものだけに緑色のタグが付けられます 。漁港周辺の「魚源」などの名店で、その極上の甘みを堪能できます 。
安全設備とルール:1983年日本海中部地震の教訓
舞鶴漁港は穏やかな湾内にありますが、歴史的な災害の記録を忘れてはいけません。
- 津波の教訓を刻む: 1983年の日本海中部地震では、舞鶴(西)検潮所で82cm、舞鶴(東)で57cmの波高を記録しました 。湾外の野原港では2.3mに達したデータもあり、地震発生時は即座に「丹後地域公民館」や「平野屋商店街」方面の高台へ避難してください 。
- レジャー用駐車場の遵守: 漁港内には釣り専用の駐車場はありません 。迷惑駐車は漁業活動の妨害となり、釣り禁止措置に直結します。必ず「サカナテラス」裏や指定の民間駐車場を利用してください 。
- ライフジャケットの完全着用: 2025年現在、京都府内の全漁港で安全管理のためライフジャケットの着用が義務化されています [5]。足場が良いからと油断せず、命を守る装備を徹底しましょう。
