岩手県下閉伊郡岩泉町、三陸復興国立公園のダイナミックな景観の中に佇む「茂師(もし)漁港」。ここは1978年に日本で初めて恐竜の化石「モシリュウ」が発見された歴史的な地であり、一億年前の地球の記憶と現代の豊かな漁場が交差する「ジオ・フィッシングの聖地」です。洗濯板のような奇岩「波鼓ヶ舞」や化石の島「松島」を望むこの港は、2025年には「46cmオーバーの黄金アイナメ」や、冬の「大型ヤリイカ」が連発し、ロックフィッシュ・ハンター垂涎のフィールド。一億年の時を刻む地層の神秘から、龍泉洞の地下水が育む豊かなプランクトン、そして2025年最新の釣果データまで。圧倒的ボリュームで、茂師漁港のすべてを網羅します。
茂師漁港の基本スペック・施設情報
茂師漁港は、岩手県下閉伊郡岩泉町小本地区にある第1種漁港です [1, 2]。岩泉町の東端に位置し、世界的に貴重な「宮古層群」の地層が露出する海岸線に造られています。地元の採介藻漁業(ウニ、アワビ、コンブ等)と定置網漁業の重要拠点であり、三陸ジオパークの主要なジオサイト(モシリュウ化石産地)としても知られています [3, 4]。
| 漁港名 | 茂師漁港(もしぎょこう) |
|---|---|
| 漁港種類 | 第1種漁港(管理者:岩泉町) [2] |
| 所在地 | 岩手県下閉伊郡岩泉町小本字向新田地内 |
| 主なターゲット | アイナメ(ランカー級)、ヤリイカ、クロソイ、メバル、マダコ、アジ、イナダ、ドンコ |
| 駐車場 | あり(漁港内に駐車可能なスペースあり。漁業関係者優先) [2] |
| トイレ | なし(近隣の岩泉小本駅や「浜の駅おもと愛土館」の施設を事前に利用推奨) [5, 6] |
| アクセス | 三陸沿岸道路「岩泉小本IC」より車で約5分。国道45号から海岸線へ分岐 |
地形と潮回り:白亜紀の岩盤が作り出す「根魚の要塞」
茂師漁港のポテンシャルを決定づけているのは、約一億年前の「中生代白亜紀前期」に形成された「宮古層群」の地層です [5, 7]。港の周囲には波の浸食によってできた「波鼓ヶ舞(なみこがまい)」などの複雑な海食棚が広がり、海底には火山活動の痕跡である巨大な沈み根やスリット(溝)が幾重にも重なっています [8, 9]。この「一億年前のシェルター」が、アイナメやソイといった大型の根魚にとって最高の隠れ家と餌場を提供しています。
潮回りについては、外洋に突き出した岬の影に位置するため、親潮の分流がダイレクトに湾内へと差し込みます。2025年の最新調査では、龍泉洞から小本川を通じて流れ出すミネラル豊富な淡水が、茂師の海域に豊かなプランクトンを呼び寄せており、ベイト(小魚)のストック量が三陸北部でも群を抜いています [10, 11]。水質は驚異的な透明度を誇り、日中には水深10m以上の底に潜む「40cmオーバーのアイナメ」の反応を目視しながら楽しめる、極めてエキサイティングなフィールドです [12]。
茂師漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2025年最新版
① 外防波堤(メイン堤防)先端部:青物とヤリイカの回廊
茂師漁港で最も潮が走るポイントです。2025年12月27日の最新ニュースでは、ここで良型のヤリイカがエギングで安定してキャッチされており、夜の堤防は「釣り納め」のファンで賑わっています 。冬のヤリイカシーズンには、日没後の夕マズメに「ナオリー レンジハンター オレンジグロー」などの夜光系エギをボトムまで沈めるのが攻略の鉄則です 。先端付近は水深があり、ショアジギングでサバやイナダの回遊も期待できます 。
② 港内・船溜まり護岸(ファミリー・ライトゲーム)
足場が平坦で広く、初心者や家族連れに最適なエリアです。2025年10月のレポートでは、サビキ釣りで20cmオーバーのアジやイワシが連発し、「サバ祭り」と称されるほどの爆釣実績も報告されています [13]。夜間は常夜灯が点灯し、メバリングでの25cmクラスの実績も安定。2025年12月の最新投稿では、ボトムを丁寧に探っていたアングラーが28cmの良型「オウゴンムラソイ」をキャッチし、冬場の生命感の強さを見せつけました 。
③ 漁港南側・「波鼓ヶ舞」地磯エリア:ロックフィッシュの極北
堤防の付け根から続く岩礁地帯は、アイナメの「特等席」です。2025年春、ここでテキサスリグを駆使したアングラーが、46cmの婚姻色アイナメを釣り上げ、SNSで話題となりました [13, 14]。複雑なスリットをワームで丹念に探る「穴撃ち」が効果的で、滑り止めのスパイクシューズを着用すれば、三陸ならではのワイルドな釣りを堪能できます。※潮位の変化には十分に注意してください [15]。
恐竜「モシリュウ」発見の衝撃と郷土史|茂師に刻まれた記憶
茂師漁港の周囲には、日本の地質学を根底から覆した「革命の歴史」と、過酷な自然と共に生きた人々の記憶が息づいています。
日本初の恐竜発見地「茂師海岸」
1978年(昭和53年)の夏、茂師海岸の山道沿いで発見された巨大な骨の化石。1981年にこれが日本初の恐竜化石であると鑑定されたことで、それまでの「日本に恐竜はいなかった」という定説が覆りました [3, 16, 17]。発見された「モシリュウ」は、推定全長22メートルにおよぶ超大型の草食恐竜です [7, 16]。釣行の際、岩泉小本駅にある「小さな博物館」に立ち寄り、レプリカを見学すると、目の前の海が一億年前の恐竜たちの楽園であったという壮大なロマンに浸ることができます 。
琥珀と薪の火付け文化
茂師周辺の地層からは、恐竜と同時代の「琥珀(こはく)」も産出します。驚くべきことに、かつての地域住民は、この貴重な琥珀を「薪の火付け材」として日常的に利用していたという民俗学的なエピソードが残っています [18]。地質学的資源が生活に密着していたこの地は、まさに「大地の恵み」を全身で感じられる場所。釣り人が立つ岩礁の一部にも、今なお一億年前の貝化石が眠っているのです 。
2025年 茂師漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、茂師周辺では豊かな自然の保護と新しい観光の動きが注目されています。
- 【2025年12月】ヤリイカ当たり年の熱狂: 12月後半、海水温の低下とともにヤリイカの巨大な群れが接岸 。夜間のエギングで数釣りが楽しめる状況が続いており、三陸北部の冬の夜釣りが最高潮に達しています 。
- 【最新】ウニ養殖試験の成功とブランド化: 磯焼け対策として岩泉町が取り組んでいる「キャベツウニ」の養殖が、2025年に本格軌道に乗りました [19]。茂師漁港でも種苗の管理が行われ、地域の新しい未来を象徴するプロジェクトとなっています。
- 【話題】三陸沿岸道路「岩泉小本IC」開通の波及効果: 復興道路の全線開通により、仙台・盛岡方面からのアクセスが劇的に向上 。週末の漁港には県外ナンバーの車も多く、交流人口の拡大が進んでいます 。
施設情報と「岩泉・小本」の絶品グルメ
茂師漁港での釣行を完璧なものにするなら、周辺の「魂の味」をチェックしましょう。
- 浜の駅おもと愛土館: 漁港から車で数分。とれたての「小本わかめ」や、岩泉町特産の「短角牛(たんかくぎゅう)」のステーキが味わえます [19]。特に、養殖に成功した「キャベツウニ」の丼(期間限定)は、ここでしか食べられない至宝です [19]。
- 岩泉炭鉱ホルモン鍋: 1940年頃の炭鉱全盛期から伝わる、ニンニクの効いたスパイシーな醤油味の鍋 。釣りの後の冷えた体に最高の滋養強壮メニューです。
- 龍泉洞: 漁港から車で約20分。日本三大鍾乳洞の一つ。洞内を巡った後に飲む「龍泉洞の水」は、体の芯から浄化されるような美味しさです [11, 20]。
駐車場と安全対策:クマ対策と高波に注意
茂師漁港は現役の漁業拠点であり、自然の厳しさと共存するためのルールがあります。
- クマ警戒の徹底: 2025年12月、由良地区などで漁港内でのクマ遭遇事案が発生しています 。茂師周辺も山が近いため、早朝・深夜の単独行動は避け、鈴やラジオを携行してください 。
- 駐車場マナー: 漁港内のスペースは限られています。漁師さんの作業車両や網干場の進路を絶対に塞がないでください [2]。路上駐車は厳禁です。
- ライフジャケットの着用: 外洋に面した堤防では、不意の「土用波」が堤防を越えることがあります [15, 21]。命を守るため、必ず着用しましょう。
