岩手県大船渡市三陸町、リアス海岸が描く複雑な曲線美の最深部、平安の昔に坂上田村麻呂に追われた鬼たちがその隠れやすさに歓喜したという「鬼喜来（おにきらい）」の伝説を冠する「越喜来（おきらい）漁港」。ここは「首崎（こうべさき）」「脚崎（すねざき）」といった鬼の体の一部に由来する地名に囲まれた神秘の入り江であり、現代では三陸を代表する「ヤリイカ・スルメイカ釣りの聖地」として君臨しています。釣り人にとっては、2025年冬に「一晩で2桁超え」のイカ釣果が乱舞するテクニカルな戦場であり、40cmクラスのアイナメが荒根に潜むロックフィッシュの楽園。2025年最新の「トレイル・メンテナンス・ミーティング」の熱狂から、地元の魂を煮込んだ名物「ホタテラーメン」まで。圧倒的ボリュームで、越喜来漁港の深淵を解き明かします。
越喜来漁港の基本スペック・施設情報
越喜来漁港は、岩手県が管理する第2種漁港です [1]。越喜来湾の懐深く、波穏やかな環境にありながら、すぐ外には三陸屈指の急深な海が広がる天然の良港です。古くからホタテやワカメの養殖拠点として発展し、現在は遊漁船の基地としても東北全域から多くのアングラーが集まるハブポートとなっています。
| 漁港名 | 越喜来漁港（おきらいぎょこう） |
|---|---|
| 漁港種類 | 第2種漁港（管理者：岩手県） [1] |
| 所在地 | 岩手県大船渡市三陸町越喜来字前田 |
| 主なターゲット | ヤリイカ、スルメイカ、アイナメ、クロソイ、マコガレイ、ヒガレイ、ブリ |
| 駐車場 | あり（漁港周辺に十分なスペースあり。マナー遵守徹底） |
| トイレ | あり（漁港内に完備。清潔に使用してください） |
| アクセス | 三陸沿岸道路「三陸IC」より車で約5分。三陸鉄道「三陸駅」より徒歩圏内。 |
地形と潮回り：鬼が喜んで隠れた「リアスの要塞」と急深な海底
越喜来漁港が突出したポテンシャルを持つ理由は、その独特な沈水地形にあります。越喜来湾はＶ字型に深く入り込んでおり、外洋の荒波を岬が遮るため、港内は常に鏡のような凪を保ちます。しかし、一歩航路へ出れば、水深は一気に数十メートルから100メートル超へと落ち込み、これが深場を好むヤリイカやマダラを至近距離まで呼び寄せる要因となっています。
潮回りについては、湾内を循環する潮流が防波堤に当たることで強力なプランクトンの溜まり場を形成します。2025年の最新観測によれば、特に冬場の「親潮の差し込み」が顕著で、12月から1月にかけてヤリイカの群れが堤防の常夜灯周辺に濃密にステイする「爆釣ゾーン」が出現しています。海底は砂地と、かつての山が水没してできた激しい岩礁が入り混じり、多様な魚種を支えています。
越喜来漁港・詳細ポイント攻略ガイド：2025年最新版
① メイン防波堤・先端部（イカメタル＆ライトエギング）
越喜来の冬の風物詩、ヤリイカ狙いの一等地です。2025年12月29日の最新釣果では、夜間のライトエギングでヤリイカ15杯、2日間で計37杯という素晴らしい実績が報告されています。最近のヒットルアーは「ダイワ ブラクリスイマーSS」や、小型のエギを低層でスローに引くのがコツ。足元が深く、大型のイカが浮いてくるのをサイトフィッシングで狙う楽しみもあります。
② 崎浜寄り・荒根エリア（モンスター・ロックフィッシュ）
40cmオーバーのアイナメを狙うなら、港外の岩礁帯に面したエリアがおすすめ。2025年12月の釣果報告では、ボトムを丹念に叩いていたアングラーが、一気に潜り込もうとする巨アイナメを見事にキャッチしています。ヒットルアーの主流は「バークレイ ガルプ パルスワーム」のモエビカラー。沈み根をタイトに攻めるため、予備の仕掛けは多めに用意しましょう。
③ 港内スロープ・常夜灯下（ファミリー・アジング）
足場が良く、夜間も明るいためファミリーやライトゲーマーに最適なポイント。2025年秋から冬にかけて、20cm前後のアジやメバルが安定してヒットしています [2, 3]。特に朝マズメの午前4時頃に大型が回遊する傾向があり、2025年11月には「一晩で50匹以上」のアジを釣り上げたペアも存在します [3]。サバの猛攻をかわすため、ボトム付近を重めのジグヘッドで素早く探るのが勝利の鍵です。
「鬼喜来」から「越喜来」へ｜バラバラにされた鬼たちの記憶
越喜来の地名には、かつての先住民族（蝦夷）と中央政権（坂上田村麻呂）との激しい抗争の歴史が、残酷なまでに鮮やかに刻まれています。
鬼も喜ぶ隠れ里の伝説
伝承によれば、リアス海岸の複雑な入り江は「鬼」と呼ばれた蝦夷たちが隠れるのに適しており、「鬼が喜んで来た」ことから「鬼喜来」と呼ばれるようになりました。しかし、坂上田村麻呂の討伐軍に追い詰められた鬼たちは、ついに討ち果たされてしまいます。死体は再生を恐れてバラバラにされ、海へ投げ捨てられたといいます。
首、脚、骨が流れ着いた岬
その鬼の「首」が流れ着いたのが現在の「首崎（こうべさき）」、「脚（脛）」が流れ着いたのが「脚崎（すねざき）」、そして後に「骨」が流れ着いたのが「死骨崎（しこつざき）」と伝えられています。現代の越喜来漁港からこれらの岬を望むとき、その美しい景色の中には、この地を守ろうとした「鬼」たちの悲しい記憶が今も息づいています。
2025年 越喜来漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、越喜来では地域の自然と歴史を未来へ繋ぐ新しい動きが加速しています。
- 【2025年9月】Trail Maintenance Meeting 2025 開催： 2025年9月27日・28日に三陸町越喜来で開催。トレイルを守る人材育成のためのシンポジウムと、実際の整備体験が行われました。
- 【最新】2025年冬 ヤリイカ絶好調： 12月末時点でヤリイカの接岸がピークを迎えています。お正月用の獲物を求めるアングラーで漁港は活気付いています。
- 【イベント】第5回「さんロゲ」大船渡応援ロゲイニング： 2025年9月20日・21日に開催。越喜来を含む三陸鉄道沿線を舞台に、多くのランナーが復興した街を駆け抜けました。
施設情報と「越喜来の恵み」絶品グルメ
越喜来漁港での釣行を完璧なものにするなら、周辺の「磯の香り」を堪能しましょう。
- 浜どこラーメン（道の駅さんりく）： 崎浜・越喜来産のドデカい「ホタテ」をまるごと1個乗せた三陸の名物ラーメン。飲み干したくなるほど魚介の旨味が凝縮されたスープは絶品です。
- 柿ソフトクリーム： 道の駅さんりくのロングセラー。日本初の柿味ソフトで、濃厚な甘みが釣りの疲れを癒してくれます。
- 殻付きホタテのオリーブオイル漬け： 規格外の小さなホタテをアップルワインで蒸し上げた逸品。お土産としても非常に人気があります。
安全設備と駐車場：14.7mの遡上高を記録した海への敬意
越喜来漁港は近代的な防災設備が整っていますが、以下のルールを厳守しましょう。
- 防潮堤と避難経路： 1983年の日本海中部地震では秋田県で14mの遡上高を記録しましたが、三陸でも津波の脅威は常に隣り合わせです [4]。避難経路の確認を怠らないでください。
- 駐車場マナー： 漁港内は漁業者の方の作業場です。フォークリフトやトラックの導線を絶対に妨げないよう、指定の場所に駐車してください [5, 6]。
- 立ち入り禁止区域： 防波堤の老朽化や高波の危険がある箇所には「立ち入り禁止」の看板があります。命を守るため、絶対に従ってください。
