岩手県下閉伊郡岩泉町、世界有数の透明度を誇る「龍泉洞」の青き地下水が小本川を通じて注ぎ込む「小本（おもと）漁港」。ここは「ドラゴンブルーの恵み」を受ける類まれな河川港であり、岩手県内でも屈指のサケ水揚げ量を誇る「生命の回帰点」です。2025年には「85cm級のランカーシーバス」や「大型真鯛」のキャッチ情報で沸き立ち、特に河口域の汽水が育む圧倒的な魚影は、三陸南部をも凌ぐポテンシャルを秘めています。1978年に日本初の恐竜化石「モシリュウ」が発見された地質学的な神秘から、2016年の台風被害を乗り越えた「再起の孵化場」、そして最新の「ウニ養殖」イノベーションまで。圧倒的ボリュームで、小本漁港のすべてを解説します。
小本漁港の基本スペック・施設情報
小本漁港は、岩手県下閉伊郡岩泉町にある第1種漁港です [20]。小本川の河口部に構築された珍しい河口港で、かつては内陸部の森林資源を運び出す木材搬入の基地として栄えました [20, 21]。現在は岩泉町の沿岸漁業の中心地であり、特にサケ増殖事業の戦略的拠点としての役割を担っています [4]。
| 漁港名 | 小本漁港（おもとぎょこう） |
|---|---|
| 漁港種類 | 第1種漁港（管理者：岩泉町） [20] |
| 所在地 | 岩手県下閉伊郡岩泉町小本字地内 |
| 主なターゲット | サケ（規制あり）、シーバス（スズキ）、マダイ、ヒラメ、アジ、メバル、ウニ |
| 駐車場 | あり（無料・漁港内に広い駐車スペースあり。作業車両優先） [20] |
| トイレ | あり（近隣の「浜の駅おもと愛土館」等の施設を事前に利用推奨） [4] |
| アクセス | 三陸沿岸道路「岩泉小本IC」から車で約2分。三陸鉄道「岩泉小本駅」から徒歩圏内 |
地形と潮回り：龍泉洞の水が作り出す「命のジャンクション」
小本漁港の最大の強みは、隣接する「小本川」の圧倒的な水量と水質にあります。この川の源流は、日本三大鍾乳洞の一つ「龍泉洞」から湧き出すミネラル豊富な地下水です [22, 23]。この「ドラゴンブルーの水」が海へと注ぎ込むことで、河口付近にはベイトフィッシュ（餌となる小魚）の巨大な群れが溜まり、大型のフィッシュイーター（シーバス、ヒラメ、真鯛）を惹きつける要因となっています [4, 24]。
港湾構造としては、川の流れを安定させる「導流堤」という人工地形が最大の特徴です [20]。これが外洋からの新鮮な潮を捉え、淡水と海水が激しく混ざり合う強力な「潮目」を形成します。海底は河川からの堆積物による砂地が主体ですが、堤防の先へ行くと急激に水深が落ち込み、複雑な沈み根やカケアガリが存在します。この「砂・汽水・深場」が三位一体となった地形こそが、小本を三陸屈指のマルチフィールドに押し上げているのです [20, 24]。
小本漁港・詳細ポイント攻略ガイド：2025年最新版
① 小本川河口・右岸導流堤（シーバス＆ヒラメの聖地）
小本漁港で最も熱い一級ポイントです。2025年10月の最新データでは、水門開放時の濁りが入ったタイミングで、85cmという驚愕のランカーシーバスが「ジョインテッドクロー」などのビッグベイトでキャッチされました。また、秋には「落ちアユ」を意識したヒラメの活性も高く、45cmオーバーの実績が安定しています。足場が良いですが、川の流れが速いため、重めのルアーで底付近をキープすることが肝要です。
② 東側メイン堤防・テトラ帯（大型根魚＆メバル）
ロックフィッシュ狙いなら、外海側の防波堤テトラ周辺がおすすめです。2025年11月、ここで「エコギア 熟成アクア スーパーどじょう」を使用した釣り人が、35cmオーバーのアイナメとクロソイを連発させました。龍泉洞の冷たい地下水の影響で、冬場でも根魚の活性が高く維持されています。夜間は常夜灯が点灯し、メバリングでの尺（30cm）超えの実績も報告されています。
③ 港内・中央岸壁（ファミリー・サビキ釣り）
足場が非常に平坦で、車を近くに停められる安全なエリアです。初夏から秋にかけてはアジやサバ、サヨリの回遊が安定しており、サビキ釣りで賑わいます。2025年10月のレポートでは、20cmオーバーのアジが鈴なりになったニュースも届いています。マリーナ施設のように整備されており、初心者や小さなお子様連れでも安心して「魚の引き」を楽しめます [4]。
恐竜「モシリュウ」と台風からの再起｜岩泉に刻まれた魂の記録
小本漁港の周囲には、一億年の歴史を遡る神秘と、過酷な災害を乗り越えてきた人々のレジリエンスが息づいています。
日本初の恐竜発見地「茂師海岸」
小本漁港のすぐ南、茂師（もし）地区では、1978年に日本で初めて公式に鑑定された恐竜化石「モシリュウ」が発見されました [22, 24]。これは白亜紀の地層から見つかったもので、当時の三陸が恐竜たちの楽園であったことを証明しています [22]。釣り人が立つ岩礁の一部にはアンモナイトの化石が今も眠っており、地球の壮大な歴史を感じながら竿を振ることができます [24, 13]。
2016年台風第10号、壊滅からの復活
東日本大震災の被害に加え、小本地区にとって忘れられないのが2016年の台風第10号による小本川の氾濫です。地域の基幹産業であるサケの孵化場は壊滅的な被害を受けましたが、翌2017年には最新の設備を導入して完全復活を遂げました [4]。この迅速な復旧は「ビルド・バック・ベター（より良い復興）」の象徴。釣り人が目にする豊かなサケの跳ねは、岩泉の人々の「不屈の精神」そのものなのです。
2025年 小本漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、岩泉町では環境保護と地域の新しい魅力が話題を呼んでいます。
- 【2025年12月】サケ遡上のピークと調査： 12月中旬、例年通りのサケの遡上が確認され、孵化場での採卵作業も最盛期を迎えました [4]。河口付近は鮭の跳ねが多く見られ、三陸の冬の到来を告げています。
- 【最新】ウニ養殖試験の成功： 磯焼け対策として小本漁港で進められていた「ウニの陸上養殖」が2025年に成功 [4]。規格外の野菜（キャベツ）を餌にした甘いウニが「浜の駅おもと愛土館」で提供され、新たな特産品として注目を浴びています。
- 【話題】龍泉洞 名水百選40周年イベント： 2025年は龍泉洞が名水百選に選ばれて40周年の節目。小本川を通じて繋がる漁港でも、記念の安全祈願祭が盛大に執り行われました [25]。
施設情報と「岩泉・小本」の絶品グルメ
小本漁港での釣行を完璧なものにするために、周辺の「魂の味」をチェックしましょう。
- 浜の駅おもと愛土館： 漁港からすぐ。とれたての「小本わかめ」や、岩泉町特産の「短角牛（たんかくぎゅう）」のステーキが味わえます。特に、養殖に成功したばかりの「キャベツウニ」の丼は、ここでしか食べられない至高の逸品です [4]。
- 岩泉ヨーグルト： 全国的にファンが多い、もっちりとした食感のヨーグルト。釣りの後のリフレッシュに最適で、道の駅いわいずみ等で購入可能です [24]。
- 龍泉洞： 漁港から車で約20分。日本三大鍾乳洞の一つ。洞内を巡った後に飲む冷たい「龍泉洞の水」は、体の芯から浄化されるような美味しさです [25]。
駐車場と安全対策：トイレ事情に注意
小本漁港は非常に整備されていますが、自然の影響を強く受けるため注意が必要です。
- 駐車場マナー： 漁港内に広い無料スペースがありますが、孵化場の作業車両や漁業関係者の進路を絶対に塞がないでください [20]。路上駐車は厳禁です。
- 河口の危険性： 小本川の河口付近は、増水時や引き潮時に非常に強い流れが発生します。不意の落水に備え、必ずライフジャケットを着用しましょう [17]。
- トイレ事情： 漁港内にはありません。車で数分の「浜の駅おもと愛土館」や三陸鉄道の岩泉小本駅の施設を事前に利用するのが鉄則です [4]。
