両石漁港

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岩手県釜石市、リアス海岸の深い懐に守られた「両石(りょういし)漁港」。ここは「鉄と魚のまち」釜石を象徴するように、江戸時代から鉄山師たちによって受け継がれてきた、他に類を見ない「魹(トド)漁」の歴史が息づく神秘の港です。1858年建立の「魹供養碑」が鎮座するこの地は、現在では「大型スルメイカとランカーアイナメの聖域」として知られ、2025年末には「一晩で100杯超のスルメイカ」という驚愕の爆釣劇が報告されました。鉄と海が育んだ重層的な文化の記憶から、2025年最新のヤリイカ・ラッシュ、そして銘酒「浜千鳥」の酒蔵見学情報まで。圧倒的ボリュームで、両石漁港の真髄を解き明かします。

両石漁港の基本スペック・施設情報

両石漁港は、岩手県釜石市両石町にある第2種漁港です 。岩手県が直接管理する重要拠点であり、両石湾の最奥部に位置しながらも、外洋の新鮮な潮がダイレクトに差し込む良好なコンディションを維持しています。大規模な防潮堤と近代的な水産加工施設を擁し、かつてはイカ釣漁師を婿に迎えることで集落を復興させたという、漁業技術の伝承を何よりも大切にする誇り高い港です。

漁港名 両石漁港(りょういしぎょこう)
漁港種類 第2種漁港(管理者:岩手県) [2]
所在地 岩手県釜石市両石町第4地割地内
主なターゲット スルメイカ(爆釣実績)、ヤリイカ、アイナメ、クロソイ、メバル、カサゴ、ハゼ、ドンコ
駐車場 なし(漁港専用の駐車場はないため、漁業車両の通行を妨げない安全なスペースを確保してください)
トイレ あり(港内に完備されています)
アクセス 三陸沿岸道路「釜石中央IC」または「釜石北IC」より車で約10〜15分。三陸鉄道「両石駅」より徒歩約10分

地形と潮回り:3.1尾/台/時の壁を越える「深淵のドロップオフ」

両石漁港の地形的特徴は、日本海(※太平洋)に突き出した岬の懐にあり、海底がわずか数メートルで一気に水深10メートル、先端付近では20メートル以上に達する「急深構造」にあります 。岩手県水産技術センターの2025年6月の調査によれば、両石湾は50m深水温が11.1度と低く、当初はスルメイカの釣獲尾数が1.6尾/台/時と周辺湾より低調でしたが、冬場に入り事態は一変しました [16]。海水温が安定した12月後半には、このドロップオフを回遊ルートとする巨大な群れが接岸し、一気に「爆釣モード」へと突入しています 。

潮回りについては、湾内を循環する潮流が防波堤に当たって強力な「ヨレ」を作り出します [16]。水質は驚異的な透明度(三陸ブルー)を保ち、日中には海底のスリット(溝)を泳ぐ大型アイナメのシルエットを視認できる「サイトフィッシング」の醍醐味を味わえます 。夜間は常夜灯が点灯し、ライトゲーム(アジング・メバリング)の格好のポイントとなりますが、堤防の外側は立ち入り禁止区域があるため、現地の看板を必ず確認しましょう 。

両石漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2025年最新版

① 港内・メイン岸壁周辺(スルメイカとドンコのメインステージ)

両石漁港で最も実績の高いエリアです。2025年12月22日の最新レポートでは、ここで夜間のライトエギングを行っていたアングラー(鯖ちゃん氏)が、一晩で驚異的な数のスルメイカをキャッチし、「このサイズが沢山いる」と報告されています 。ヒットルアーは「メジャークラフト JIGPARA ライブ金アジ」 。また、12月20日にはボトムを狙った釣り人がドンコ(エゾイソアイナメ)を「入れ食い状態」で釣り上げており、冬場の生命感の強さは釜石エリア随一です 。

② スロープ・作業台周辺(ファミリー・チョイ投げ)

足場が平坦で広く、初心者や家族連れに最適なエリアです。2025年12月12日のレポートでは、20cmオーバーのハゼの数釣りが楽しめ、お土産確保には最適でした 。夜間は常夜灯が点灯し、メバリングでの25cmクラスの実績も安定しています。最近のトレンドは「オーエスピー HPシャッドテール 2.5」のゴリミソブラックカラー。ボトム付近をデッドスローで通すと、尺近いアイナメが出ることもあります 。

③ 漁港周辺・消波ブロック帯(ロックフィッシュの要塞)

堤防の付け根から続くテトラ帯は、カサゴやソイの「特等席」です。2025年12月6日の最新データでは、ここでワームを駆使したアングラーが、良型のカサゴ5匹とイカを仕留めています 。テトラの隙間にリグを送り込み、リアクションで食わせる技術が求められますが、その分、三陸ならではのダイナミックな引きを楽しむことができます。※堤防先端側の高いテトラは大変危険なため、立ち入り禁止看板の指示に従いましょう 。

魹(トド)供養碑と鉄山師の誇り|両石に刻まれた魂の歴史

両石漁港の周囲には、17世紀の製鉄文化と、海の巨獣に感謝を捧げた人々の誇り高き歴史が刻まれています。

鉄と海の融合「魹供養碑」

漁港のすぐ近くには、2021年に釜石市指定文化財となった「魹供養碑」が鎮座しています [17]。江戸時代の安政5年(1858年)、両石村の人々によって建立されたこの碑は、当時この地で行われていた魹(トド)漁の犠牲となった命を弔うためのものです 。魹漁は毎年12月から翌年5月まで行われた年中行事であり、驚くべきことに、内陸の鉄山師たちが製鉄の「鞴(ふいご)」を操作する技術を活かして狩猟に携わっていたと伝えられています 。かつての工業資源と海洋資源が分かちがたく結びついていた、釜石ならではの歴史の深さを感じさせてくれます。

2011年震災からの「家の復興」

東日本大震災では、両石地区も甚大な被害を受けましたが、この地には「出稼ぎ」という外部の力を借りてコミュニティを維持してきた強靭な伝統がありました 。震災後、他地域から婿を迎えることで集落の血筋と漁業技術を守り抜いたというエピソードは、現在の近代的な漁港施設の礎となっています。釣り人が立つこの堤防は、単なるコンクリートではなく、地域の再生を願う人々の「執念の盾」なのです [15]。

2025年 両石漁港の最新ニュースとトピックス

2025年、釜石市では文化の継承と新しい観光の動きが注目されています。

  • 【2025年12月】デカスルメ・ラッシュの到来: 12月後半、三陸沿岸全体でスルメイカの回遊が活発化 。両石漁港でも「つ抜け」は当たり前、多い人では100杯近い衝撃的な実績が報告されています 。
  • 【最新】橋野鉄鉱山 世界遺産10周年: 釜石市内の世界遺産「橋野鉄鉱山」が登録10周年を迎え、関連イベントが盛大に開催されました。両石漁港の「魹供養碑」も鉄山ゆかりの地として改めて脚光を浴びています 。
  • 【話題】三陸沿岸道路 全線開通の効果: 2025年8月21日の全線開通により、仙台・盛岡方面からのアクセスが劇的に短縮されました 。遠征アングラーにとって両石は「最も身近な歴史の秘境」となりました。

施設情報と「釜石・両石」の絶品グルメ

両石漁港での釣行を完璧なものにするなら、周辺の「魂の味」をチェックしましょう。

  • 銘酒「浜千鳥」酒蔵見学: 釜石を代表する地酒。2025年12月にも酒蔵見学イベントが開催されました 。釣行のお土産に、三陸の海の幸と最高に合う一本を選ぶのがアングラーの楽しみです。
  • サン・フィッシュ釜石「海鮮まえ浜」: JR釜石駅前にある市場施設 。新鮮な三陸の海の幸が並び、豪華な「三陸釜石お宝丼」を堪能できます 。
  • 両石産の「生ワカメ・コンブ」: 鉄山師の智恵を受け継ぐ漁師が育てる海藻は、肉厚でシャキシャキした食感が特徴 [18]。地元の産直施設で購入可能で、自分への最高のご褒美になります。

安全対策と駐車場:立ち入り禁止区域への厳重注意

両石漁港は現役の漁業拠点です。以下のルールを厳守しましょう。

  • 立ち入り禁止区域の徹底: 2025年現在、防波堤(堤防)の一部は立ち入り禁止の看板が設置されています 。転落事故を未然に防ぐための重要な措置ですので、必ず指示に従ってください。
  • 駐車場マナー: 漁港内に明確な駐車場はありません。漁師さんのフォークリフトやトラックの導線を絶対に塞がないでください 。路上駐車は厳禁です。
  • ライフジャケットの着用義務: 垂直なドロップオフが続く三陸の堤防では、転落は命に関わります。必ずライフジャケットを着用しましょう [9, 10]。

両石漁港を愛するアングラーの心得

魹供養碑が見守る美しい歴史と豊かな海を守るため、以下のマナーを遵守してください。

  • ゴミの完全回収: 三陸の美しい景観を守るため、釣り糸一つ、吸い殻一つ残さない美徳を持ちましょう [13, 9]。
  • 漁業者優先の徹底: 港は漁師さんの大切な仕事場です。網が干してある場所や漁船のロープ付近での釣りは控え、笑顔で挨拶を交わしましょう [14, 15]。
  • 夜釣りのライト管理: 周辺の住宅街への配慮として、強力な投光器の使用や夜間の騒音は慎みましょう。
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