佐賀県唐津市、名護屋港から定期船で約25分。玄界灘に浮かぶ「馬渡島(まだらしま)」は、佐賀県最大の有人離島であり、神道・仏教・カトリックの三宗教が共存する、極めて稀有な精神文化を持つ島です。かつて江戸時代、長崎の外海から迫害を逃れて命がけで海を渡った「潜伏キリシタン」が辿り着いた安住の地。釣り人にとっては、対馬暖流がダイレクトにぶつかる「一級のモンスターフィールド」であり、2026年1月現在も30cm超えの尺アジや大型キジハタがアングラーを沸かせています。幻の柑橘「げんこう」の香りと、島内唯一の拠点「まだらや」での美食体験、そして1983年の津波教訓まで。圧倒的ボリュームで、馬渡島漁港の真髄を解き明かします。
馬渡島漁港の基本スペック・施設情報
馬渡島漁港は、佐賀県唐津市が管理する第1種漁港です。玄海諸島の中で最大の面積を誇るこの島は、急峻な崖に囲まれた天然の要塞のような地形を活かし、古くから遠洋漁業の中継拠点として機能してきました。現在は、島民の生活を支える定期船の発着所であり、また釣り人にとっての「離島クオリティ」を象徴する場所となっています。
| 漁港名 | 馬渡島漁港(まだらしまぎょこう) |
|---|---|
| 漁港種類 | 第1種漁港(管理者:唐津市) |
| 所在地 | 佐賀県唐津市鎮西町馬渡島 |
| 主なターゲット | アジ、アオリイカ、メバル、カサゴ、キジハタ、ブリ、ヒラマサ、真鯛 |
| 駐車場 | なし(島内車両乗り入れ不可。名護屋港側の無料駐車場を利用) |
| トイレ | あり(定期船待合所や「まだらや」付近に完備) |
| アクセス | 唐津市名護屋港より定期船で約25分、呼子港より約40分(1日4往復)。 |
地形と海洋特性:対馬暖流の「直撃」を受ける溶岩の島
馬渡島を攻略する最大の鍵は、そのダイナミックな「潮流」と「水深」です。島の周囲は急深な海底地形となっており、港の堤防からわずか数十メートルで水深が10mを軽く超えます。対馬暖流が直接ぶつかる「潮の壁」となっているため、年間を通じて水温が安定しており、冬場でも熱帯系のベイトフィッシュが残留し、それを追う大型回遊魚が港内まで入り込みます。
2025-2026年の海況調査によれば、底質は溶岩由来の複雑な岩礁帯(瀬)が入り組んでおり、特にアコウ(キジハタ)やアラといった高級根魚の生息密度は本土側の数倍に達しています。夜間には強力な常夜灯が点灯し、プランクトンが密集。そこに尺アジの群れが突っ込む光景は、馬渡島ならではの圧巻のシーンです。
馬渡島漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2026年最新版
① メイン防波堤・先端エリア(大型青物&尺アジ)
馬渡島で最も実績が高いポイント。2025年後半のデータでは、ここで30cmから時には35cmを超える特大アジ(ギガアジ)が、ジグ単やサビキ釣りで連発しています。2026年のトレンドは「リアルメソッド カーボン」製の高感度ロッドを用いたアジングで、使用ルアーは「イージーシェイカー 2.5インチ」の蓄光クリアが鉄板です。また、朝マズメには60g前後の「激投ジグ」を遠投することで、10kg超のヒラマサとの遭遇率も跳ね上がります。
② 教会下の地磯・ゴロタ浜(アオリイカ&ロックフィッシュ)
カトリック教会の下に広がるエリアは、エギングの超A級ポイント。2025年春にはキロオーバーのアオリイカが続出し、2026年も「エギ王K ムラムラチェリー」でのボトム攻略が主流となっています。また、テトラの隙間を狙う「穴釣り」では、1g前後のジグヘッドにワームを付けるだけで、25cmクラスのカサゴ(アラカブ)が際限なくヒットします。
③ 港内スロープ・「まだらや」前(ファミリー&サビキ)
足場が非常に良く、初心者や子供連れに最適なポイント。常夜灯の影響を強く受けるため、夜間のアジングやメバリングも安定しています。2025年秋のレポートでは、ここでサビキ釣りをしていた家族連れが、アジだけでなく20cm級のカワハギを多数キャッチ。離島ならではのピュアな魚の反応を楽しめます。
潜伏キリシタンの逃避行と「海の星」|祈りが守る馬渡島
馬渡島の歴史は、文字通り「命がけの信仰」によって紡がれてきました。
寛政年間(1799年頃)の入島伝説
江戸時代後期、長崎市外の黒崎村(現在の外海地区)に住んでいた有右衛門という潜伏キリシタンが、激しい弾圧を逃れるため、家族ら7人で海を渡り馬渡島に辿り着きました。当時、キリスト教は厳禁されていましたが、島の役人は彼らの苦境を憐れみ、突き返すことなく入植を認めたと伝えられています。これが、現在も島民の約半数がカトリック教徒である馬渡島のルーツです。
三つの宗教の共生
馬渡島には、カトリック教会のほか、神道(馬渡神社)、仏教(浄土真宗)の三つの宗教がそれぞれのコミュニティを尊重しながら共存しています。丘の中腹に建つ教会からは、玄界灘を一望でき、航海の安全を見守る「海の星」としての役割を担っています。釣行の合間に教会を訪れると、この島が辿った数奇な運命と、先人たちの祈りの深さを感じることができるでしょう。
2025-2026年 馬渡島の最新ニュースとトピックス
- 【2025年10月】定期船「馬渡島丸」リニューアル: 最新の航行システムと快適な客室を備えた定期船が就航。名護屋港からの利便性が向上し、日帰り釣行がより身近になりました。
- 【最新】2026年1月 尺アジ爆釣中: 1月上旬、港内の常夜灯周りで30cm超えのアジが乱舞。1時間で20本以上の釣果報告が相次いでいます。
- 【話題】「げんこう」の収穫祭: 島に自生する幻の柑橘「げんこう」。2025年冬も特産品の「げんこうポン酢」が完売するほどの人気を博しています。
施設情報と島内唯一の拠点「カフェ&民宿 まだらや」
馬渡島での釣行を完璧なものにするなら、島唯一の食事処をチェックしましょう。
- カフェ&民宿 まだらや: 2017年にオープンした島のオアシス。看板メニューの「アジフライ定食」(1,000円)は、島で獲れたてのアジを贅沢に使用。サクサクの衣とふっくらした身は、人生最高の味と評されます。
- ちゃんぽん: 野菜と海の幸がたっぷり入った「まだらやチャンポン」は、冬の釣行で冷えた体を最高に温めてくれます。
- 手ぶら釣り体験: まだらやでは釣り道具一式のレンタル(1,000円〜)も行っており、釣れた魚をその場で捌いてもらうことも可能です。
安全設備とルール:1983年日本海中部地震の教訓
- 1983年日本海中部地震の教訓: 日本海側で発生した地震による津波は、到達が極めて速いのが特徴です。強い揺れを感じたら、迷わず丘の上のカトリック教会方面へ避難してください。
- ライフジャケットの着用: 馬渡島の堤防は外海側が非常に高く、落水は致命的です。必ず「国土交通省認定」のライフジャケットを着用しましょう。
- 特定水産動植物の採捕禁止: 2025-2026年も、あわび、なまこ、しらすうなぎの採捕は厳しく罰せられます。現地の看板を遵守してください。
