若狭湾の西の入り口、博奕岬(ばくちみさき)の険しい断崖を背に抱く「瀬崎(せざき)漁港」。ここは、かつて竜神(女神)とクジラの大王が白黒の岩石を碁石に見立てて囲碁の勝負をしたという、舞鶴でも屈指の神秘的な民話が息づく地です。釣り人にとっては、外海からフレッシュな潮がダイレクトに差し込む「投げ釣りの聖地」として知られ、特に28cmを超える尺級の「大型キス」や、良型のマダイ、ヒラメが狙えることで熱烈な支持を得ています。2026年1月の最新釣果では、厳冬期ながらカサゴやアオリイカの反応が安定しており、冬の日本海特有の力強さを体感できるスポットとなっています。神話の碁石と、日本海の荒波が育む豊かな資源。瀬崎漁港の真髄を余すところなく解説します。
瀬崎漁港の基本スペック・施設情報
瀬崎漁港は、舞鶴市が管理する第1種漁港です [1]。1951年(昭和26年)8月21日に指定を受け、京都府漁業協同組合舞鶴支所の管轄下にあります 。利用範囲は主に地元の沿岸漁業が主体で、特にワカメの陸揚げが多いことで知られています [1]。大浦半島の最北西端に位置するため、かつてはアクセスが困難な「秘境の港」でしたが、現在は舞鶴クレインブリッジを経由した新道の整備により、市街地から短時間でエントリー可能となっています 。
| 漁港名 | 瀬崎漁港(せざきぎょこう) |
|---|---|
| 漁港種類 | 第1種漁港(管理者:舞鶴市) [1] |
| 所在地 | 京都府舞鶴市字瀬崎地内 [1] |
| 主なターゲット | シロギス、マダイ、ヒラメ、マゴチ、アジ、メバル、カサゴ、アオリイカ |
| 駐車場 | あり(石積み波止付け根付近に小規模スペースあり。路上駐車厳禁) [2] |
| トイレ | なし(近隣の観光施設・ふるるファーム等を利用のこと) |
| アクセス | 舞鶴東ICよりクレインブリッジ経由、トンネル3つを抜けて約20分。 |
地形と潮回り:博奕岬がもたらす「急深のフラットエリア」
海底地形は、波止からほど近い距離にゴロタ石が点在し、その先は広大な砂地が広がっています 。最大の特徴は、博奕岬の影響で外海からの潮がそのまま差し込む抜群の潮通しです。2026年の最新潮流データでも、大潮時にはオモリが流されるほどの速い流れが発生しており、これがマダイやヒラメといった回遊性の強い魚種を岸壁近くまで引き寄せています。
地質学的には「舞鶴帯」の北縁に位置し、博奕岬を境に「白色の花崗岩」と「黒色の閃緑岩・斑レイ岩」が鮮やかに分断されているという、世界的に見ても貴重な露頭(岩石の露出部)が見られます 。この「碁石」の伝説を生んだ複雑な底質が、魚たちにとっての隠れ家や豊かな餌場を形成しています。ただし、北側に遮るものがないため、北風が吹くと一気に波が高くなる特性があり、釣行時は天候の変化に細心の注意が必要です 。
瀬崎漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2026年最新版
① 石積み波止・沖向きエリア(大型キス&ヒラメ)
瀬崎のメインポイントです。全長約50mの石積みは潮通しが極めて良好です [3]。2025年夏から秋にかけては、遠投によって25cmクラスのキスが連発し、それをエサにした泳がせ釣りで70cm級のマゴチやヒラメの釣果も報告されています 。2026年1月現在、夜釣りでは依然として良型のカサゴやソイがブラクリ仕掛けで堅調にヒットしています 。
② 波止付け根・砂浜境界(フラットフィッシュ&チヌ)
砂地と岩礁が入り混じるテクニカルなエリアです。足元は水深が浅いですが、潮が濁ったタイミングでは大型のチヌが石積みの際まで寄ってきます 。また、2025年の動向では、ナイトゲームでのヤリイカ回遊が確認されており、集魚灯を用いたエギングアングラーが深夜に賑わう場面も見られました 。
③ 舟上げ場スロープ(ライトゲーム&ファミリー)
足場が非常に安定しており、お子様連れでも安心して竿を出せるポイントです 。2025年秋にはサビキ釣りで15cm前後のアジやイワシが回遊し、短時間で「つ抜け」を達成するファミリーも多く見られました。2026年冬は、常夜灯周辺でのメバリングが好調で、15cm〜20cmのメバルがスローリトリーブで攻略されています 。
「博奕岬」の伝説と碁石の海岸|神話が眠る港
瀬崎漁港の北西端にそびえる博奕岬には、その地名の由来となった壮大な民話が残されています。
竜神とクジラ大王の知恵比べ
昔、この岬に名前がなかった頃、力自慢の竜神(女神)とクジラの大王が出会い、どちらが強いか自慢し合いました 。空高く飛べる竜神と、深い海を自由に泳ぐクジラ大王の勝負はなかなか決着がつかず、最後は「知恵比べ」として、海岸に転がっている白と黒の石を碁石に見立てて囲碁で勝負をすることになりました 。勝負は数年にわたりましたが、結局引き分けに終わったと伝えられています。この勝負の場所が「博奕(ばくち)岬」と呼ばれるようになり、今も瀬崎の海岸には、伝説通り白と黒の石が境界線で分かれて堆積しています 。
二石崎と風土記の記憶
『丹後国風土記』においても「二石崎」として記されている可能性があるなど、この地の岩石への信仰は非常に古くから存在しています 。1500万年前の宮津花崗岩(白)と、さらに古い夜久野岩類(黒)が物理的に出会うこの地点は、地学的価値とともに、人々の想像力を刺激し続けてきた文化の集積地でもあります 。
2026年 瀬崎漁港の最新ニュースとトピックス
2025年から2026年にかけて、瀬崎を含む大浦エリアでは地域の魅力を発信するイベントが相次いでいます。
- 【2025年8月】万願寺まつり2025の盛況: 8月10日、隣接する「舞鶴ふるるファーム」で開催。瀬崎の海風を感じながら、地元特産の万願寺甘とうを味わうイベントに多くの観光客が訪れました 。
- 【2025年12月】日本遺産MONTH・パネル展示: 12月19日より赤れんがパーク3号棟にて開催。瀬崎周辺の景観も含む舞鶴の日本遺産と映画の記憶を辿る展示が行われ、歴史ファンの注目を集めています 。
- 【最新】1月 ライトゲーム&アオリイカ好調: 2026年に入り、波止周辺で指2本半〜3本のタチウオや、越冬アジの釣果が報告されています。海水温が安定していることが要因と見られます 。
施設情報と「大浦の恵み」を味わうスポット
瀬崎での釣行後に立ち寄りたい、地域一体となった人気スポットを紹介します。
- 舞鶴ふるるファーム: 漁港からすぐの場所にある農業公園。2025年4月にリニューアルした「ガーデンカフェ」や、地産地消のバイキングレストランが人気です 。
- ふるるマーケット: 地元の農家から届く新鮮な野菜や、ふるるファーム自家製の加工品が並びます。釣行のお土産選びに最適です 。
- 宿泊施設・コテージ: ふるるファーム内には海と星空を望めるコテージがあり、家族や3世代での滞在型釣行にもおすすめのロケーションです 。
安全設備とルール:2026年最新の防災・安全基準
瀬崎漁港を安全に楽しむために、以下のルールを徹底しましょう。
- 北風による急な高波に警戒: 瀬崎は北側に岬がないため、北風が吹き出すと数分で波が駆け上がってきます。冬場の釣行は特に予報を注視してください 。
- ライフジャケットの完全着用: 2022年2月より、小型船舶のみならず岸壁での安全確保としてライフジャケットの着用が強く推奨されており、12歳未満は必須です 。
- 日本海中部地震の教訓: 1983年の震災では、舞鶴市内の野原港などで浸水被害が発生しました 。強い揺れや潮の異常な引きを感じたら、即座に背後の高台へ避難してください 。
