粟津漁港

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徳島県鳴門市里浦町、播磨灘を望む砂浜海岸と広大な鳴門金時畑の境界に位置する「粟津(あわづ)漁港」。ここは古代5世紀から製塩が行われてきた歴史の地であり、江戸時代の干拓事業によって「海から大地へ」と変貌を遂げた先人たちの執念が息づく港です。釣り人にとっては、鳴門エリア屈指の「砂泥地と岩礁のハイブリッドエリア」。広大な砂地に潜む巨大ヒラメや、テトラ帯に居着く尺ガガネ(カサゴ)の実績で、テクニカル派からファミリーまで幅広い層を魅了しています。2025年秋にはショアジギングでサゴシが連発し、2026年初頭にかけては1.5gの軽量リグによる「アジング・メバリング」が好調を維持。昭和南海地震による塩害の苦難を乗り越え、現代ではサツマイモと地魚の香りが風に乗る、粟津漁港の真髄を徹底解説します。

粟津漁港の基本スペック・施設情報

粟津漁港は、徳島県が管理する第2種漁港です。1954年(昭和29年)に第1種漁港として指定された後、里浦地区の重要な沿岸漁業拠点として発展してきました。現在は里浦漁業協同組合の管轄下にあり、鳴門特産のワカメ養殖や小型船による底びき網漁が盛んです。鳴門市の東側に位置し、冬季の季節風が遮られやすい地形的メリットがあるため、荒天下でも比較的釣行が可能な「安定した釣り場」として重宝されています。令和6年度も水産物供給基盤機能保全事業による岸壁修繕が予定され、インフラの維持向上が図られています。

漁港名 粟津漁港(あわづぎょこう)
漁港種類 第2種漁港(管理者:徳島県)
所在地 徳島県鳴門市里浦町里浦
主なターゲット ヒラメ、アジ、サヨリ、カサゴ(ガガネ)、マダイ、サゴシ、シロギス
駐車場 あり(漁港内に広いスペースあり。漁船や機材の邪魔にならないよう駐車を)
トイレ なし(周辺の産直施設やコンビニ等を利用推奨)
アクセス 神戸淡路鳴門自動車道「鳴門IC」より車で約10分。国道11号から里浦方面へ。

地形と地質:那賀川の砂が運んだ「フラットフィッシュの聖域」

粟津漁港が他の鳴門の港と一線を画す理由は、その「砂泥質ボトム」の広大さにあります。かつて紀伊水道から運ばれた砂が堆積し、広大な干潟を形成していたこのエリアは、海底が非常に緩やかなカケアガリとなっています。この砂地が、ヒラメやマゴチ、そしてシロギスといった砂を好む魚種にとっての最高級の生息域となっています。港内は平均水深3m〜5mですが、外側のテトラ帯周辺は複雑な沈み根が点在し、砂地と根の複合ポイントとして機能しています。

2025年の最新海洋調査データによれば、粟津周辺は排水が穏やかなため、冬場でも水温が極端に下がりにくい特性を持っています。これにより、2026年にかけては越冬するメバルやガガネの個体数増加が予測されています。潮回りについては、満潮からの下げ潮が播磨灘側へ動き出す際に、防波堤の外側で大きな「潮目」が発生します。この潮目にベイト(イワシやシラス)が溜まり、アジングにおける尺超えのチャンスや、ショアジギングでの青物回遊の引き金となります。

粟津漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2025-2026年最新戦略

① 南側外テトラ帯(ヒラメ&ショアジギング)

粟津で最も大物の実績が高いポイント。2025年10月15日のレポートでは、「メジャークラフト ジグパラサーフ」を用いたアングラーが、朝まずめに良型のヒラメ(ソゲサイズを含む)やサゴシを連続キャッチしています。2026年へのトレンドは、3g前後のジグヘッドにダート系ワームを合わせた「ライトショアジギング」。砂地を意識してボトムから1m以内を跳ねさせるアクションが、捕食スイッチを刺激する勝利の鍵です。

② 港内北側・サビキ&ライトゲーム(爆釣サヨリ&アジング)

足場が良く、数釣りが楽しめるファミリー向けのメインエリア。2025年12月30日の最新レポートでは、マキエを用いたサヨリ狙いで100匹を超える3桁釣果が報告されました。サイズも27cm前後と申し分なし。アジングでは、1.5gのジグヘッドに「ダイワ ソードビーム(イカゴロブラック)」等のワームを使用し、夕まずめから夜間にかけてのアジ・メバル狙いが安定しています。リブ深めのワームによる「スローな誘い」が2025年冬のヒットパターンです。

③ 港西側・里浦砂浜境界(シロギス&マダコ)

季節ごとの「お土産」確保に最適なポイント。初夏から秋にかけては、チョイ投げ釣りで15cm〜20cmのシロギスが安定して釣れます。また、2025年夏には「ヤマシタ タコゆらハンター」等のタコ用エギを用いたアングラーが、港内の壁際でキロオーバーのマダコを複数仕留めています。海底が砂地のため根掛かりが少なく、初心者でも底をズル引きして魚(あるいはタコ)とのコンタクトを楽しめるのが粟津の魅力です。

古代製塩と里浦の執念|「海から生まれた」粟津の郷土史

粟津漁港の静かな水面の背後には、荒々しい海を肥沃な大地へと作り変えてきた、里浦の人々の壮大な挑戦の歴史があります。

5世紀から続く製塩の聖地

鳴門市里浦・粟津周辺は、日本屈指の歴史を持つ塩の産地です。近隣の日出遺跡(ひゅうでいせき)からは、5世紀頃の古代製塩土器が大量に出土しており、当時から大規模な製塩が行われていたことが証明されています。鳴門の激流が運ぶ清浄な海水と、広い砂浜。この自然の恩恵を最大限に活かした製塩技術は、後に「阿波の白銀」と呼ばれ、藩の財政を支えるまでになりました。粟津漁港周辺の地形は、この製塩に必要な海水を取り込むための入江として発展してきた経緯があります。

「塩田から農地へ」干拓の苦闘

近代に入り製塩業が衰退すると、里浦の人々は広大な塩田跡地を農地に転換するという次なる挑戦を始めました。これが現在のブランドサツマイモ「鳴門金時」の広大な畑へと繋がります。粟津周辺は元々地盤が低く、干拓地ならではの苦労も絶えませんでした。1946年の昭和南海地震では、地震そのものよりもその後の津波と、長期間の湛水(塩害)が里浦の耕地を襲いました。約700町歩の耕地が浸水し、戦後しばらくの間、湿地として残された場所さえありました。この苦難を乗り越えて築かれた「砂地の農業」と「沿岸の漁業」が、現在の粟津の美しい景観を形成しています。

2025-2026年 粟津漁港の最新ニュースとトピックス

2025年、粟津漁港は伝統の継承と新たなグルメブームで賑わいを見せています。

  • 【2025年11月】徳島フィッシングフェスティバル連携: アスティとくしまで開催されたフェスティバルに合わせ、粟津漁港でも里浦漁協による「稚魚放流体験」が実施され、多くの子供たちが海の豊かさを学びました。
  • 【2026年1月】最新釣果・アジ良型化中: 2025年末から海水温が安定し、港内でキャッチされるアジのサイズが例年より大型化。25cm〜29cmの「ほぼ尺アジ」の報告が相次いでいます。
  • 【話題】「里浦だいこん」の収穫ピーク: 2025年末、漁港背後の畑で収穫された里浦大根が初出荷。釣り帰りに近隣の産直市で購入するアングラーも多く、粟津の冬の定番となっています。

鳴門の至宝「鳴門金時」とうどんの極味

粟津漁港での釣行を完璧なものにするなら、周辺の「里浦の誇り」をチェックしましょう。

  • 手打ちうどん 藤井(明神): 漁港から車でわずか5分。高島「船本うどん」の流れを汲む名店。不揃いで柔らかい「鳴門うどん」は、忙しい漁師たちが即座に食べられるように進化したソウルフード。出汁の効いた黄金色のスープは絶品です。
  • きたなだ海の駅・とれたて食堂(※参考): 鳴門市街地へ戻る途中にある拠点。粟津で獲れた鮮魚の刺身や「鳴門金時ソフトクリーム」が人気。1,850円前後で味わえる天然鳴門鯛の鯛めしは、釣り人の胃袋を最高に満たしてくれます。
  • 福永家塩田住宅: 歴史好きには外せないスポット。かつての塩田産業を伝える国指定重要文化財。釣りの合間に「塩の街」の歴史を肌で感じることができます。

安全設備とルール:泥海の教訓を忘れずに

粟津漁港は静かな海ですが、干拓地特有の災害リスクに対する備えは必須です。

  • 即時の高台避難: 昭和南海地震の教訓が示す通り、粟津・里浦地区は地盤が低いため、一度津波が防潮堤を越えると長期間水が引きません。強い揺れを感じたら、即座に国道28号を越えた西側の高台へ避難してください。
  • 漁業者への敬意: 里浦の漁師さんは伝統と誇りを大切にする方々です。網の整理や船の作業中は笑顔で場所を譲り、適切な距離を保ちましょう。
  • サケ・マスの採捕厳禁: 2026年も徳島県内全域で釣りによるサケの採捕は厳禁。違反した場合は最高で300万円の罰則が適用されるため、ルールを厳守しましょう。

粟津漁港を愛するアングラーの心得

古代から続くこの製塩の海を未来へ残すため、以下のマナーを徹底してください。

  • ゴミの完全回収: 里浦の美しい砂浜と漁港を汚す行為は許されません。ラインの切れ端一つ残さない姿勢が、釣り場開放の継続に繋がります。
  • 夜間の静粛維持: 漁港周辺には民家が隣接しています。深夜・早朝のドアの開閉音やエンジンのかけっぱなしには十分に配慮しましょう。
  • 資源保護の心: 徳島ブランドの地魚を守るため、必要以上の釣果は持ち帰らず、20cm以下のガガネやメバルは優しくリリースする心の余裕を。
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