青森県の最東南端、岩手県との境界にほど近い階上町(はしかみちょう)に位置し、秀峰・階上岳の豊かな伏流水が太平洋へと注ぎ込む「追越(おいこいし)漁港」。ここは「青森県で最も早く朝日が昇る町」の海岸線にあり、白亜紀に地下深くで固まった巨大な花崗閃緑岩の記憶を大地に刻む、極めて特徴的な地質基盤を持つ港です。釣り人にとっては、太平洋の荒波が育むアブラメ(アイナメ)の力強い引きや、冬のチカ、夜のドンコといった階上の「海の幸」をダイレクトに享受できる実戦的なフィールド。1968年の十勝沖地震や2011年の東日本大震災という未曾有の試練を乗り越え、最新の防災インフラと共に再生を遂げた追越の海は、2025年現在、記録的な青物の回遊や大型根魚の実績で再びアングラーの熱視線を浴びています。大地の鼓動と潮の香りが交差する、追越漁港の真髄を圧倒的ボリュームで解き明かします。
追越漁港の基本スペック・施設情報
追越漁港は、階上町が管理する第1種漁港です [1]。利用範囲は主に地元の沿岸漁業を主体としており、階上漁業協同組合の拠点の一つとして、ウニやアワビの採介藻漁、そして定置網でのサケ漁などが盛んに行われています [2, 3]。2011年の震災後、浚渫工事や舗装復旧が迅速に行われ、現在は高度な機能性を備えた漁業拠点として完全復興を遂げています [4]。国道338号線からのアクセスが良く、広々とした港内は初心者からベテランまでが落ち着いて竿を出せる環境が整っています。
| 漁港名 | 追越漁港(おいこいしぎょこう) |
|---|---|
| 漁港種類 | 第1種漁港(管理者:階上町) [1] |
| 所在地 | 青森県三戸郡階上町大字道仏字追越地内 [5] |
| 主なターゲット | アブラメ(アイナメ)、チカ、ソイ、ドンコ、ヒラメ、アジ、サバ、タナゴ |
| 駐車場 | あり(漁港内に広い公共スペースあり。漁業活動を最優先してください) [6, 4] |
| トイレ | なし(近隣の「ハマの駅あるでぃーば」等の施設を利用推奨) [7] |
| アクセス | JR八戸線「階上駅」より車で約5分。八戸久慈自動車道「階上IC」より約10分。 |
地形と潮回り:階上岳の「ごま塩岩」が育む豊かな磯浜
海底地形は、背後にそびえる階上岳(臥牛山)の成り立ちと密接に関係しています。階上岳は約1億年前の白亜紀に地下深くでゆっくりと冷えて固まった「花崗閃緑岩」の巨大なかたまりであり、その風化によって生じた砂が海岸線に堆積し、独特の「ごま塩」状の砂礫底を形成しています 。この複雑な砂地と天然の岩礁がパッチワーク状に広がる構造が、アイナメやソイといった定着性の高い根魚にとって最高の生息環境を提供しています。
2025年の最新観測データでは、太平洋の親潮が直接港に差し込むことで、年間を通じて海水温が安定し、プランクトンの密度が極めて高い状態が維持されています。潮回りについては、下げ潮の際に八戸港方面へと向かう潮流が防波堤先端で強力な「ヨレ」を作り出し、ここに良型のアジやサバが密集するのが追越の特徴です。また、長潮などの緩慢な潮時であっても、海底の起伏が潮流を攪拌させ、高い爆釣指数(BI)を記録することがあります 。
追越漁港・詳細ポイント攻略ガイド:2025年最新版
① 外海側大防波堤(アブラメ&投げ釣り)
追越漁港のメインステージです。2025年冬の最新レポートでは、ここで30cm〜40cm超のアブラメ(アイナメ)が安定してキャッチされています [6]。外海側へ向けて遠投し、砂地の中にある沈み根をタイトに探るのが攻略の鍵。エサ釣りでは青イソメの房掛けが定番ですが、近年は「ガルプ パルスワーム」等の強烈な匂い付きルアーを用いたロックフィッシュゲームも絶大な威力を発揮しています [8]。
② 港内岸壁&船溜まり(チカ&ファミリー)
足場が完璧に整備されており、初心者やファミリーに最適。2025年も冬場には10cm〜15cmクラスのチカが鈴なりに釣れる光景が見られ、地元の風物詩となっています [6]。また、サビキ釣りでは小アジやサバも数釣れるほか、夜間には足元の隙間を狙う「穴釣り」で、階上の名物であるドンコ(エゾイソアイナメ)や良型ソイの実績も豊富です [6]。
③ 防波堤基礎・テトラ帯(メバリング&クロソイ)
ルアーマンに人気のテクニカルポイント。2025年12月末の動向では、ジグヘッド1.5g前後を用いたライトゲームで、25cmクラスのメバルやクロソイの活性が非常に高まっています 。常夜灯の明暗部を丁寧にトレースするのが勝利の鉄則。ワームのカラーは、低水温期でも視認性の高い「グロー」や「チャート」系が2025年のトレンドとなっています 。
「道仏」の由来と1826年の記憶|階上の歩み
追越漁港の背景には、北東北の基層文化と災害を乗り越えてきた人々のレジリエンスが刻まれています。
「道仏(どうぶつ)」地名のルーツ
追越が属する「道仏」という地名の由来には諸説ありますが、明治から大正にかけての歴史家・吉田東伍は、アイヌ語で「湖川」を意味する「トペチ」から転じたと推測しています。これは、かつてこの周辺に豊かな水源や水辺の生活があったことを示唆しており、古代から人々がこの豊かな海辺に引き寄せられてきた証左でもあります。
火災からの再生:1826年の出来事
1826年(文政9年)、追越地区では給地百姓の家屋6軒が焼失するという大規模な火災が発生した記録があります。当時の厳しい生活環境下での被災でしたが、住民たちは互いに助け合い、速やかに集落を再建しました。この「相互扶助」の精神は、後の明治三陸大津波(1896年)や昭和三陸大津波(1933年)、そして現代の震災復興へと受け継がれる、追越地区の強靭なコミュニティの原点となっています。
2025年 追越漁港の最新ニュースとトピックス
2025年、階上町では地域の魅力を再発見するニュースが相次ぎました。
- 【2025年12月】地震後の断水復旧: 12月8日に発生した青森県東方沖地震により、階上町内でも断水が発生しましたが、迅速な復旧作業により漁港活動への影響は最小限に抑えられました。
- 【2025年11月】はしかみどんこ祭の盛況: 11月11日に開催。追越漁港で獲れたばかりのドンコ(エゾイソアイナメ)の肝和えや汁物が振る舞われ、多くのアングラーが地域の味を堪能しました [9, 10]。
- 【話題】「新そば」シーズンの到来: 10月25日より、町内施設で「階上早生(はしかみわせ)」の新そば提供が開始。釣行帰りに挽きたて・打ちたての味を求める人々で賑わっています [11, 12]。
周辺施設と「階上ならでは」の絶品メニュー
追越での釣行を完璧にするなら、階上町ならではのブランド食材をチェックしましょう。
- はしかみハマの駅「あるでぃーば」: 漁港から車で5分。地元産のウニやアワビ、さらには「階上アブラメ」などの新鮮な魚介が並ぶ直売所。レストラン「Mar」では太平洋を眺めながら海鮮丼を楽しめます。
- 階上早生そば: 大正時代から守り継がれる希少なソバ品種。独特の風味と強靭なコシが特徴で、フォレストピア階上などの拠点では「三たて」にこだわった至高の一杯を味わえます 。
- いちご煮(郷土料理): ウニとアワビを使用した贅沢な潮汁。2025年も「はまゆう」などの名店で、朝もやの野いちごに見立てた黄金色の輝きを堪能できます 。
安全設備とルール:太平洋の「回り込み津波」の教訓
追越漁港を安全に楽しむために、以下のルールを厳守しましょう。
- 強い揺れ=即避難: 太平洋側に位置する追越ですが、日本海中部地震の際にも回り込んだ津波による潮位変化が記録されています [13, 14]。揺れを感じたら道具を放棄して、即座にJR八戸線の踏切より高い高台(あるでぃーば方面)へ避難してください [4, 15]。
- ライフジャケットの常時着用: 太平洋の堤防は不意に大きなうねりが来ることがあります。特にテトラ帯や先端部での釣りは滑落の危険があるため、必ず股紐付きのライフジャケットを正しく着用しましょう。
- 資源保護の徹底: サケ・マスの採捕は2025年も青森県内全域で厳禁です [16]。また、15cm以下のヤマメやイワナの放流魚もリリースが義務付けられています [16]。地域のルールを守り、豊かな海を次世代へ繋ぎましょう。
